「転職したばかりだけど辞めたい…」看護師の後悔しない選択肢を徹底解説

廊下から窓の外を見上げて途方に暮れた表情をする女性看護師

Q. 転職したばかりなのにもう辞めたいと感じています。またすぐ辞めてもいいのでしょうか?

「こんなはずじゃなかった」

「続けられる自信がない」

「また転職したら迷惑をかけてしまう」

転職直後に辞めたいという気持ちが出てきたとき、こうした葛藤を抱える看護師は少なくありません。

社労士・元病院人事として採用と職場運営の両面に関わってきた立場からお伝えします。

辞めることは法律上可能です。

ただしその前に「今の自分が辞めた方がいい状態かどうか」を確認することが重要です。

この記事は、転職直後に辞めたいと感じている看護師が、冷静に状況を整理するためのページです。

目次

結論:

黒板に「Answer」と書かれたイラスト

辞めることは法律上可能です。ただしその前に「辞めた方がいい状態かどうか」を確認することが重要です。

感情が揺れているときほど、判断を急がないことが大切です。

「辞められるかどうか」と「辞めるべきかどうか」は別の問題だからです。

まず自分の状態を整理したうえで、次の行動を決めてください。

転職直後に辞めたくなる3つの理由

板に「REASON」と書かれたイラスト

転職後すぐに辞めたいと感じる背景には、共通したパターンがあります。

理由① 情報のミスマッチ

転職活動中の説明と実際の業務内容や待遇に違いがある場合です。

  • 給与体系
  • 夜勤の頻度
  • 業務量の実態

など、求人票や面接では見えなかった部分が入職後に明らかになるケースは、少なからずあります。

理由② 自分の能力以上の業務を求められる

  • 経験年数に見合わない重症患者の受け持ちを突然任される
  • 人員不足で即戦力として扱われる

など、技術的にも精神的にも準備が整っていない段階で、過度な負担がかかるケースです。

理由③ 人間関係への適応の難しさ

  • 新しい職場の暗黙のルール
  • 上司のマネジメントスタイル
  • チームの雰囲気

などが前の職場と大きく異なる場合、適応するのに時間とエネルギーを要します。

これらの理由は「転職の失敗」ではなく、「入職前に確認できなかった情報のギャップ」であることがほとんどです。

退職のルール(社労士の視点から)

吹き出しに「ルール」と書かれたイラスト

「転職直後でも本当に辞められるのか」という疑問に、社労士として正確にお答えします。

法律上の原則

民法第627条により、期間の定めのない雇用(正規雇用)の場合、退職の申し入れから2週間が経過すれば退職できます。

職場の承諾は必要ありません。

また、労働基準法第15条第2項により、採用時に明示された労働条件と実態が異なる場合は、即時に労働契約を解除することができます。

民法

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)

  • 第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

出典:民法 | e-Gov 法令検索

労働基準法

(労働条件の明示)

  • 第15条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
  • ② 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる

出典:労働基準法 | e-Gov 法令検索

就業規則との関係

「退職の申し出は3か月前まで」など、民法より長い予告期間を定めている就業規則がある職場もあります。

ただしこの場合も、民法の規定が優先されます。

先ほど示したとおり、退職の申し入れから2週間が経過すれば、就業規則の定めにかかわらず退職することができます。

現実的な対応として

しかし、現実の医療現場を考えるとどうでしょう。

法律上の権利として退職できることと、職場への影響を考えずに自分のタイミングで辞めることは、別の話になります。

転職直後の急な退職は、欠員補充のための採用活動や業務の再調整など、職場に少なからず影響を与えます。

退職を決断した場合は、できるだけ早く師長や上司に申し出て、引き継ぎを丁寧に行うことをお勧めします。

円満退職の意識は、次の転職活動にも影響します。

採用側から見た「短期離職者」の印象

3人の面接官とリクルートスーツを着て面接を受ける女性

採用担当として転職者の面接を多く経験してきた立場からお伝えします。

短期離職の経歴があるからといって、採用側が必ずマイナスに評価するとは限りません。

採用側が確認したいのは以下の2点です。

  1. なぜその職場を短期間で離れたのか
  2. 次の職場では何を変えようとしているのか

「情報のミスマッチがあった」「体調を崩した」など、理由が明らかで、次に向けた考えが整理されていれば、短期離職が全て致命的なマイナスにはつながらないでしょう。

逆に、理由が曖昧なまま「また合わなかった」を繰り返すと、採用側の懸念は積み重なっていきます。

辞めた方がいい状態・続けた方がいい状態を確認する

虫眼鏡のレンズに「判断」と書かれたイラスト

次の判断軸で、今の自分の状態を確認してみてください。

辞めることを真剣に検討すべき状態

以下の項目に複数当てはまる、あるいは長期間改善しない場合は、続けることで心身への影響が深刻になる可能性があります。

  • 不整脈・過呼吸など継続的な身体症状が出ている
  • 週3日以上の不眠症状が続いている
  • 家族・友人との関係が希薄になっている
  • 看護師としての判断力や安全管理への自信が著しく低下している
  • 職場の方針や看護観に根本的な違和感がある
  • 3年先のキャリアビジョンから完全に外れている

厚生労働省ホームページにある「看護師のキャリアデザインシート 活用ガイド」は、自身のキャリアビジョンをイメージするのに役立ちます。

出典:厚生労働省「看護師のキャリアデザインシート 活用ガイド」001151049.pdf

もう少し続けることを考えてよい状態

以下に当てはまる場合は、判断を急がず様子を見る余地があります。

  • 入職して間もなく、まだ環境に慣れていない段階
  • 辞めたい気持ちが特定の出来事や時期に集中している
  • 上司や同僚に相談できる関係性がまだある
  • 業務内容自体に問題はなく、人間関係の一部だけが課題

「辞めたい」という気持ちが出てきたことと、「今すぐ辞めるべき状態か」は別の問題です。

まず自分がどちらの状態にあるかを確認することが大切です。

看護師が避けるべき職場の特徴を知ることは、辞める・続けるの判断に役立ちます。以下の記事で解説していますので参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

ボードに「Q&A」と書かれたイラスト

試用期間中でも辞められますか?

はい、辞められます。試用期間中も雇用契約は成立しており、民法の規定が適用されます。

民法上では、退職の申し入れから2週間が経過すれば退職できます。採用時の労働条件と実態が異なる場合は、即時解除も可能になります。

いずれの場合も、就業規則の退職申し出期限を確認したうえで、できる限り早めに申し出ることをお勧めします。

短期離職が続くと、次の転職に影響しますか?

影響はゼロではありませんが、理由が明確でそれを採用側にしっかり伝えることができれば、致命的なマイナスにはならないと考えます。

採用側が見るのは「なぜ辞めたか」と「次にどうしたいか」です。短期離職の事実より、そこから何を学んで次にどう活かすかを整理できていることの方が重要です。

一人では判断できません。どうすればいいですか?

一人で判断しようとしなくても大丈夫です。

信頼できる先輩・同僚・家族への相談に加えて、国家資格キャリアコンサルタントによる無料相談や看護協会のナースセンターも活用できます。

当サイトでも看護職の方向けにキャリア相談(60分・無料)を実施しています。

参考:

まとめ

画用紙と絵具を背景に「まとめ」と書かれたイラスト

転職したばかりで辞めたいと感じることは、珍しいことではありません。

大切なのは、感情に任せて動く前に自分の状態を整理することです。

  • 退職は法律上可能。ただし「辞められるか」と「辞めるべきか」は別の問題
  • 辞めた方がいい状態かどうかをチェックリストで確認する
  • 短期離職の理由を整理してから次に動くことが、転職の質を左右する

こちらの記事では、「辞めたい」気持ちが強いときに最初に整理しておきたいポイントを3つ紹介しています。

それでも迷っているときは、一人で抱え込まずに相談してみてください。

キャリア相談のご案内

転職したばかりだけど辞めたいあなたへ…

当サイトでは、看護職を対象にキャリア相談を実施しています。(60分・無料・月3名限定)

廊下から窓の外を見上げて途方に暮れた表情をする女性看護師

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

吉澤 宏行のアバター 吉澤 宏行 社会保険労務士・医療機関専門コンサルタント

吉澤社労士事務所代表。社会保険労務士・国家資格キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)として、医療機関の労務と人材課題に専門的に携わっています。
医療機関で25年間事務職に従事。総務、経理、医事、健診部門など幅広く経験を積み、2024年4月に独立。地元・東京都日野市にて医療機関専門社労士として活動中。

目次