看護師の履歴書で採用担当者が本当に見ているもの。元病院人事が整理する

履歴書を書くリクルートスーツ姿の若い女性

Q. 看護師の転職で、履歴書ってそんなに重要なのでしょうか?

「志望動機ってどう書けばいいのだろう」

「自分の強みなんてわからない」

転職を前に、このような悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。

元病院人事として多くの看護師の採用書類を見てきた立場からお伝えすると、

履歴書で「会ってみたい」と思わせられるかどうかが、面接に進めるかどうかを左右します。

逆に言えば、採用側が何を見ているかを知っていれば、書き方は自然と変わります。

この記事は、採用担当者の視点から履歴書の「本当のポイント」を整理するためのページです。

目次

結論:

黒板に「Answer」と書かれたイラスト

重要です。面接の前に選考はすでに始まっています。ただし「うまく書くこと」より「採用側が何を確認したいか」を知ることが先です。

採用担当者は、履歴書を開いた瞬間から評価を始めています。

いくら経歴やスキルが優れていても、それが伝わらない履歴書では面接に進めません。

一方で、採用側が見ているポイントさえ押さえれば、「無理かも」と思っていた志望先の面接に進める可能性も広がります。

採用担当者が注目する5つの項目

ビジネスマンがチェックマークを指しているイラスト

採用担当者が履歴書で実際に確認している項目を整理します。

① 職歴

中途採用で最初に確認するのは職歴です。

自院の募集条件に合う人材かどうかをまず判断します。

常勤・非常勤を問わず、入職と退職の事実を正確に記載してください。

担当業務を簡潔に添えておくと、経験の幅が伝わりやすくなります。

② 志望動機

職歴の次に確認するのが志望動機です。

採用担当者はここから「なぜうちを選んだのか」という意欲を読み取ります。

「急性期医療に携わりたい」のような一般的な理由では評価されません。その病院・施設特有の特徴にも触れた、具体的な動機が求められます。

面接で必ず聞かれる項目です。マニュアル通りの記載ではなく、

「面接でこの動機を自分の言葉で語れるか」

を意識して書くことが重要です。

③ 自己PR

自己PRからは、あなたのスキルや経験が病院の求める人物像に合っているか、仕事への姿勢を確認します。

「自分にどんなスキルがあるか」だけでなく、

「そのスキルを応募先でどう活かせるか」

まで書けると評価が変わります。

自己PRも、面接で必ず聞かれる質問のひとつです。面接の場で、自分の言葉で語ることを前提に記載しましょう。

④ 免許・資格

看護師免許以外にも、専門性をアピールできる資格は積極的に書くようにしてください。

看護業務と直接関係がなくても、社会的に評価される資格であれば、「向上心がある人物」という印象につながります。

⑤ 趣味・特技

筆者自身、採用担当者として、趣味・特技欄は比較的注目していました。

ここから読み取りたいのは「人柄」だけではありません。

看護師は精神的・身体的負担の大きい仕事です。

採用担当者はオンとオフの切り替えができる人かどうか、つまり

「自院で長く働いてもらえる人か」

を確認しています。

面接で話題になることも多い項目です。面接での会話を意識して書いておくと、場の雰囲気が和むこともあります。

「採用したい」と思わせる書き方のポイント

点灯するランプと「Point」という文字のイラスト

採用されやすい履歴書を書くためには、いくつかポイントがあります。

志望動機:「具体性」「熱意」「貢献力」の3点セット

  • 応募先の病院・施設特有の特徴を具体的に挙げる
  • 「なぜここでなければならないのか」を書く
  • あなたの経験やスキルを活かしてどう貢献できるかで締める

面接の場で自分の言葉で語れない志望動機では、採用担当者に響きません。

「面接でプレゼンする」ことを前提に、記載内容の方向性を決めましょう。

自己PR:「スキル」「実績」「貢献力」の3点セット

  • 現場で積み上げた具体的なスキルと実績を書く
  • 「それが応募先でどう役立つか」まで説明する
  • 単なる経歴の羅列にしない

経験年数によってもアピールポイントが異なります。

第二新卒・中堅看護師それぞれがアピールすべきポイントについて、次の章で話します。

写真:第一印象は写真から始まる

採用担当者が履歴書を開封したとき、視覚に最初に入るのが写真です。

容姿を評価するのではなく、その人の雰囲気や印象を感じ取っています。

【写真撮影時のチェックポイント】

  • 髪の乱れを直す
  • 口角を少し上げる
  • スーツ姿が望ましい
  • 濃い色の服を選ぶ(淡い色は顔がぼやけた印象に)
  • メイクは色を控えめに(カラー写真では実際より鮮やかに見える)

よくある失敗例と改善策

最後に、やってしまいがちな失敗例と改善策を紹介します。

失敗例①:誤字脱字・記入漏れ

書類データを使いまわすと別の志望先の内容が残るリスクがあります。

「確認作業をしない人」「ミスが多い人」という印象を与えます。

⇒書き終えた後に必ずセルフチェック(声に出して全項目を読み返す)しましょう。

第三者にも確認してもらうと安心です。

失敗例②:志望動機が一般的すぎる

「患者さんの役に立ちたい」「貴院の理念に共感しました」だけでは、どの病院にも使い回せる内容と判断され、評価につながりません。

⇒応募先の特徴を調べて、具体性を加えましょう。

自分の経験と応募先病院の理念や特徴を結びつけて記載することが大事です。

失敗例③:自己PRがスキルの羅列になっている

「ICU経験3年、リーダー経験あり」と並べるだけでは不十分です。

⇒具体的なエピソードを中心に書くことが大事です。

「その経験を応募先でどう活かすか」まで書いて完成します。

第二新卒・中堅それぞれの書き方の違い

ノートの上の付箋に「比較」と書かれたイラスト

ここでは、第二新卒と中堅の看護師、それぞれに適した履歴書の書き方を紹介します。

第二新卒看護師の場合

経験年数が短いことを気にする必要はありません。

採用担当者が見たいのは「なぜ転職を考えたか」と「次にどうしたいか」です。

  • 転職理由はネガティブな表現を避け、前向きな動機に言い換える
  • 学んだことや気づきを志望動機・自己PRに結びつける
  • 手書きでの作成でも丁寧さと誠実さは十分に伝わります

アピールポイント

第二新卒看護師の場合、主に向上心や柔軟性がポイントになります。

  • 向上心と学習意欲
  • 柔軟性
  • 基本的な看護スキル
  • チームワーク
  • 患者さんへの思いやり

履歴書様式

第二新卒には、新卒者・職歴の少ない方向けの様式が適しています。

  • 「学歴・職歴」欄が広く設けられている
  • 「趣味・特技」「自己PR」などの欄がある
  • 空欄が目立ちにくい

中堅看護師の場合

豊富な経験を「整理して伝える」ことが課題になります。

  • 職歴欄には具体的な役割や担当業務を簡潔に記載する
  • 資格欄は専門・認定資格を強調する
  • 経験が多い分、PC入力で見やすく整理するのが適しています
  • 必要に応じて職務経歴書を別紙で添付することも有効です

アピールポイント

中堅看護師の場合、主に現場経験から得た経験、スキル、専門性がポイントになります。

  • 豊富な臨床経験
  • 専門性とスキル
  • リーダーシップ
  • 問題解決能力
  • 多職種連携
  • 業務改善への貢献

履歴書様式

中堅看護師の場合、職歴や実績を十分に記載できる様式を選ぶことが重要です。

次に紹介する既成のテンプレートをダウンロードして、自分仕様にして使うのもひとつの方法です。

履歴書テンプレートのダウンロード先

応募先の指定に合わせて様式を選んでください。

① 厚生労働省規格の履歴書テンプレート

ハローワークインターネットサービスなどからダウンロードできます。

その他、応募書類の作り方や注意点などを掲載したパンフレットの情報も提供しています。

参考:ハローワークインターネットサービス – 履歴書・職務経歴書の書き方

② リクナビNEXTの履歴書テンプレート

Word、Excel、PDF形式で履歴書テンプレートをダウンロードできます。

職務経歴書のフォーマット(編年体式、逆編年体式、キャリア式)の提供もあります。

参考:リクナビNEXT 履歴書テンプレート・職務経歴書フォーマットの無料ダウンロード(Excel・Word・PDF)と見本

よくある質問(FAQ)

「Q&A」の文字と色鉛筆のイラスト

履歴書は手書きとPC入力、どちらがいいですか?

応募先の指定がある場合はそれに従います。

指定がない場合、第二新卒など経験が少ない方は手書きでも問題ありません。丁寧さと誠実さは伝わります。

中堅以上で記載内容が多い場合は、PC入力で見やすく整理する方が採用担当者にとって読みやすくなります。

職歴が短い・少ない場合、どう書けばいいですか?

職歴の短さを補おうとして内容を盛ることは逆効果です。

採用担当者が知りたいのは「その期間で何を経験し、何を学んだか」です。

短い期間でも、担当業務・学んだこと・次に活かしたいことを具体的に書くことで、誠実さと前向きな姿勢を伝えられます。

志望動機がうまく思いつきません。どこから考えればいいですか?

まず「なぜ今の職場では満たされないのか」を整理してください。

その裏返しが「次の職場に求めているもの」になります。

次に応募先の特徴(診療科・看護の取組・地域での役割・規模など)を調べ、「自分が求めているものと、この病院の特徴がどう重なるか」を言葉にしていくと、具体的な志望動機が見えてきます。

「退職理由」の欄がある場合、正直に書くべきですか?

人間関係の問題などネガティブな退職理由が実際にあった場合でも、それをそのまま書くのは避けた方が無難です。

建前であっても、「スキルアップを目指すため」などポジティブな印象を与える内容を書くことが重要です。

まとめ

画用紙と絵具を背景に「まとめ」と書かれたイラスト

採用担当者が履歴書で確認したいのは、

「この人と会ってみたいか」

「一緒に働けそうか」

という感覚です。

  • 採用担当者が注目するのは職歴・志望動機・自己PR・資格・趣味特技の5項目
  • 志望動機と自己PRは「貢献力」まで書いて完成する
  • 写真・趣味特技も、採用担当者は必ず見ています

「うまく書こう」とするより、「採用側に何を伝えたいか」を整理することが先です。

なお、年代別転職活動のポイントについて、医療介護求人サイト「ジョブメドレー」に筆者のコメントを掲載いただきました。

記事を読む(外部サイト・ジョブメドレー「初めての転職、何社受けるのが正解?71万人のデータからわかった応募数の目安」)

面接対策については、面接で受かりやすい人とそうでない人の違いを解説したこちらも参考にしてください。

こちらの記事では、直接応募を検討中の方に向けて、メリットや向き・不向きを解説していますので、考え方の整理をしてから動きましょう。

参考:森本千賀子著『本気の転職パーフェクトガイド』・新星出版社

履歴書を書くリクルートスーツ姿の若い女性

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この記事を書いた人

吉澤 宏行のアバター 吉澤 宏行 社会保険労務士・医療機関専門コンサルタント

吉澤社労士事務所代表。社会保険労務士・国家資格キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)として、医療機関の労務と人材課題に専門的に携わっています。
医療機関で25年間事務職に従事。総務、経理、医事、健診部門など幅広く経験を積み、2024年4月に独立。地元・東京都日野市にて医療機関専門社労士として活動中。

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