「お礼奉公中なのに辞めたくなってきた…」
このような不安をお抱えの看護師さん、意外に多いかもしれません。
お礼奉公からの転職をどう進めればいいのか、そもそもお礼奉公中に辞められるのか…
この記事では、お礼奉公のルールと期間中に転職する場合の注意点を解説し、お礼奉公終了後の転職の見極め方法についても紹介しています。
なお、筆者は元病院人事として様々な背景を持つ看護師さんの採用に関わってきました。
是非この記事を読んでいただき、今後のキャリアプランや転職活動の参考にしていただけるとうれしいです。
お礼奉公中の看護師が転職を考える理由とは?
お礼奉公とは、簡単に言うと、看護学生時代に奨学金を受けた病院に一定期間働く仕組みのことです。
そもそも、看護師さんがお礼奉公で就職することに、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。それぞれ挙げてみたいと思います。
お礼奉公のメリット
メリット①:経済的負担が軽くなる
学生時代に借りた奨学金の返済が免除される場合が多いため、学費や生活費を心配することなく、看護師資格の取得に集中できます。
奨学金制度を活用することで、経済的な理由で進学を諦めることなく、看護師としてのキャリアを築くことができます。
メリット②:就職先が確保できる
看護学校卒業後の就職先が半ば保証されているため、就職活動の不安や負担が軽減されます。
人気のある病院を志望する場合、通常の新卒採用ルートよりも就職しやすくなる場合があります。
メリット③:キャリアが安定する
新卒から一定期間同じ病院で働くことで、基礎的なスキルや経験を着実に積むことができます。
こうした経験は、看護師としての将来のキャリア形成において、とても重要な基盤となります。
お礼奉公のデメリット
デメリット①:就職先が制限される
奨学金を借りた病院での就職を半ば強制されるため、奨学金を借りる時点での就職先の見極めがとても重要になります。
自身の価値観やキャリアプラン、就業条件と合わない場合、就職後に不満が生じる可能性があります。
デメリット②:退職しづらい
お礼奉公期間中に退職する場合、奨学金の即時返還や違約金を求められるリスクが考えられるため、現実的に、退職へのハードルが高くなると言えます。
デメリット③:労働条件が不明確になりやすい
給与や労働条件はもとより、奨学金の返済方法など具体的な貸与契約の内容が明示されない場合、就職後に不利な労働条件を強いられるリスクがあります。
「辞めたい…」と感じるのはあなただけじゃない
それでは、なぜ、お礼奉公中の看護師が転職を考えるのか。その理由について考えてみたいと思います。
辞めたい理由①:キャリアアップを求めて
お礼奉公期間中でも、より専門的なスキルを身につけたい、または異なる診療科で経験を積みたいという思いから転職を考える場合があります。
辞めたい理由②:労働環境に不満がある
お礼奉公先で過酷な勤務体制やハラスメントなどの人間関係の問題、それに伴い心身の健康状態が悪化しているなど、現在の職場環境に不満を感じて転職を考えることがあります。
辞めたい理由③:キャリアビジョンが変わった
看護師として働く中で、自身の適性や興味が変化し、当初の計画とは異なるキャリアパスを望むようになる場合があります。
例えば、以下の2つの記事にあるように、急性期から慢性期看護への転換や、保健師を目指すなどの理由が考えられます。
辞めたい理由④:家庭の事情による転居など
結婚や家族の事情など、個人的な理由で転居が必要になった場合、現在の病院での勤務が継続できなくなることがあります。
辞めたい理由⑤:適性やスキルにミスマッチを感じて
お礼奉公先の病院で求められるスキルや業務内容が、自身の適性や希望と合わない場合、より自分に合った職場環境を求めて転職を考える場合があります。
以下の記事では、看護師さんが転職を考え始めたときに行うべき心の準備について解説しています。併せてご参考ください。
お礼奉公の契約ルールと転職の可否を確認しよう

ここでは、お礼奉公の契約にはどのようなルールがあるのか、またお礼奉公期間中の退職で注意すべきリスクについて解説します。
お礼奉公中の退職:ルールとポイントを理解する
「お礼奉公中でも辞められる?」
このような疑問を持つ方も多いでしょう。結果から先にお伝えすると、お礼奉公中であっても法的には退職する権利があります。
以下、お礼奉公中の退職に関するポイントをまとめたいと思います。
ポイント①:退職の自由がある
法令により、お礼奉公中であっても退職する権利が認められています。
期間の定めのない雇用(正規職員)の場合、退職の申し出から2週間後に退職できることが民法に定められています。
民法
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第627条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
ポイント②:奨学金の即時返済を求められる
お礼奉公期間中に退職を申し出た場合、貸与された奨学金の即時返済を求められるケースが多くあります。
ポイント③:契約に沿った対応が必要
奨学金貸与に係るお礼奉公の具体的な期間や条件は病院によって異なります。病院との個別の契約書や奨学金貸与要領などの内容を確認することが重要です。
ポイント④:円満退職を心掛ける
法的には自由に退職できますが、看護師としての将来のキャリアに対する影響を考慮して、できる限り円満に退職することが望まれます。
お礼奉公中の退職:事前に認識すべきリスクとは
「お礼奉公中に辞める場合、どんなリスクがある?」
このような疑問を持つ方も多いでしょう。退職する自由はあるものの、お礼奉公期間中に退職する場合には、以下のようなリスクがあると考えられます。
リスク①:奨学金の即時返還
前述したとおり、お礼奉公期間中に退職を申し出ると、病院側から貸与した奨学金の即時返還を求められる可能性があります。まとまった金額の返還金を準備するだけの経済的な余裕が必要になります。
リスク②:違約金の請求
病院から違約金等を請求される不安もあるかもしれません。
個別の契約内容にもよりますが、原則として、労働契約の不履行を理由とした違約金の設定は労働基準法に抵触する可能性があります。後ほど詳しく解説します。
リスク③:キャリアへの影響
お礼奉公期間中の退職は、自身の将来のキャリアに影響を与える可能性が考えられます。
特に地方の場合、医療業界内でのネガティブな評判につながり、今後の転職に悪影響を及ぼす可能性がゼロではありません。
リスク④:人間関係の悪化
お礼奉公期間中の退職を表明した後、残りの勤務期間中は、人間関係が悪化した状況で就業し続けなければならないリスクが考えられます。
そうした状況では、有給が希望通り取れないことや、心身に負担のかかる勤務表が組まれるリスクもゼロではありません。
リスク⑤:過剰なストレス
お礼奉公期間中の退職をめぐって病院側と揉めた場合、日常の労働に加えて、トラブルに係る時間と労力、そして精神的なストレスを伴う可能性があります。
お礼奉公中の退職:違約金が発生する?
「お礼奉公中に辞める場合、違約金を請求される?」
このような不安を持つ方も多いでしょう。お礼奉公中に違約金が請求されるとしたら、以下のような事例が考えられます。
契約に基づく違約金請求
「お礼奉公期間中に退職した場合、貸与した奨学金に加えて違約金を支払うこと」とする契約を締結した場合が想定されます。
前述したように、労働基準法では、労働契約の不履行(退職等)を理由とした違約金の設定は認めていません。
個別の契約内容にもよりますが、上記のような契約をもとに違約金の請求があった場合でも、法的には無効になる可能性があると考えられます。
労働基準法
(賠償予定の禁止)
第十六条 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。
奨学金未返済による損害賠償請求
奨学金を返済しないまま退職した場合は、病院側が損害賠償を請求するケースが考えられます。
これについても労働基準法第16条に抵触する可能性がありますが、いずれにせよ個別の契約内容の精査が必要になります。
一括返済の強要
奨学金の返還請求自体は有効だと考えられますが、即時に一括で貸与金額の返還を病院から強要されるケースが想定されます。
この場合、実質的に高額な違約金と同様の負担となり、看護師の退職を妨げる要因になり得るため、一括返還の是非について法的判断が必要な場合も考えられます。
お礼奉公中の退職:トラブル回避のための対処法
お礼奉公中の退職には、トラブルが発生する可能性が否定できません。
もし、トラブルまで進展してしまいそうな場合には、以下のことに注意を払いましょう。
- 奨学金返済については分割払いなど柔軟な交渉を試みること。
- 違約金や損害賠償を請求された場合は、労働基準監督署等の行政窓口や弁護士等の専門家に相談すること。
- 労働者側が著しく不利益になるような不当な契約内容については、法的対応も視野に入れること。
お礼奉公を途中で辞めるための6ステップと注意点

お礼奉公のルールについて確認したところで、実際に、お礼奉公の途中で退職するためには、どのような手順を踏むべきなのか、その方法と注意点について解説したいと思います。
お礼奉公の途中で退職するための6つのステップ
はじめに、お礼奉公中の退職手続きの手順について確認していきたいと思います。
以下の手順を踏まえて、慎重かつ計画的に退職手続きを進めるようにしましょう。
- STEP1:契約内容を確認する
- STEP2:前向きな退職理由を考える
- STEP3:退職の意思を伝える
- STEP4:奨学金返済の交渉をする
- STEP5:退職届を提出する
- STEP6:業務の引き継ぎと退職の挨拶をする
STEP1:契約内容を確認する
奨学金に関する契約書の確認から始めます。返済義務に関する条項、また返済の免除の条項を把握します。
働いた期間に応じて返済額が減額される場合もあるため、具体的な条件まで確認するようにしましょう。
STEP2:前向きな退職理由を考える
退職の理由は、スキルアップや新しい挑戦などポジティブな内容にまとめることが重要です。
人間関係や職場風土の問題などネガティブな理由は避けることを心がけましょう。
STEP3:退職の意思を伝える
退職の意思を上長に伝えます。この際、円満退職を目指して誠実な態度で意思表示することが重要です。
自己都合の場合でも、上長が納得するような退職理由を誠実に伝えることで、不要なトラブルを避けることができます。
STEP4:奨学金返済の交渉をする
お礼奉公中の退職には奨学金の返済義務が発生するはずです。人事部門からは一括返済を求められることが多いですが、分割払いなど柔軟な返済方法が可能か交渉することも視野に入れておきましょう。
STEP5:退職届を提出する
正式に退職届を提出します。就業規則に基づき、提出期限や届出の書式を守る必要があるため、事前に就業規則を確認することが大事です。
STEP6:業務の引き継ぎと退職の挨拶をする
業務の引き継ぎを行い、関係者への挨拶を忘れずに行います。誠実な態度をとることで、円満退職につながり、将来のキャリアに対してネガティブな影響を避けることができます。
途中退職からの転職活動:そのポイントとは?
お礼奉公中の円満退職から、他の病院へ転職活動を行う際に注意すべきポイントを5点挙げたいと思います。
以下を踏まえ、自身のキャリアプランに最適な転職先を慎重に選ぶことが成功につながります。
途中転職ポイント①:自己分析でキャリアプランを再考する
自己分析して転職後に求める環境や条件を明確にします。そのためには、現在の職場での問題点を具体的に抽出し言語化することが大事です。
職種、勤務形態、給与、夜勤や残業の有無はもちろんのこと、業務内容や専門分野についてもチェックします。
以下の記事では、看護師さんのキャリアプランの考え方について解説しています。併せてご参考ください。
途中転職ポイント②:条件の優先順位を明確にする
前項で整理した希望条件を整理し、優先順位を明確にしておくことで、転職先選びがスムーズになります。
「必須条件」、「優先条件」、「理想条件」など3段階に分けて優先順位をつけるのもひとつの方法です。
以下の記事では、働きやすい職場の特徴を解説していますので併せてご参考ください。
途中転職ポイント③:教育体制を確認する
転職先の教育方針や体制について事前に調べ、不明点は事前の見学時や面接の時に質問するようにします。
もし、あなたが新しい分野や診療科にチャレンジすることを考えている場合、上記に加えて手厚いサポート体制が整っているか確認することが重要です。
途中転職ポイント④:職場の雰囲気を確認する
上長やスタッフのローテーションがあるたびに、職場の雰囲気も変わってしまうものですが、可能な限り施設見学を行い、事前にリアルな職場風土を感じることが大事です。
途中転職ポイント⑤:勤務地や通勤条件を確認する
勤務地や通勤時間も重要な要素です。希望条件を絞りすぎると選択肢が狭まるため、柔軟性を持つことも大事です。
途中退職を拒まれた場合の対処法は?
もしも、お礼奉公中の退職の申し出が拒まれた場合、どのように対処すべきでしょうか。基本となる4つのポイントを挙げたいと思います。
- 感情的にならず冷静かつ誠実な態度を忘れない。
- 必ず病院への感謝の気持ちを伝える。
- 自分のキャリアプランも理解してもらうよう努める。
- 病院側との信頼関係を崩さないよう、常に「円満退職」を心掛ける。
以上の4つのポイントを踏まえて、できる限り円満に退職するための具体的な対処法を紹介します。
対処法①:退職理由を前向きに伝える
退職理由は、スキルアップやキャリアチェンジなど前向きな内容を強調しましょう。
- 「新しい診療科で経験を積みたい」
- 「専門性を高めたい」
など、自己成長につながる理由を伝えると、病院側も納得しやすくなります。
対処法②:申し出のタイミングを考慮する
冬場の繁忙期や人手不足が深刻な時期は、退職の申し出はなるべく避けるようにしましょう。
比較的落ち着いた時期に退職の意思を伝えると受け入れられやすくなります。直前での申し出は避け、1~2か月前に余裕を持って申し出ることが大事です。
対処法③:引き継ぎ計画を示す
業務が滞らないように引き継ぎ計画を事前に準備しましょう。
後任者への引き継ぎ資料を作成するとともに、積極的に後任者との引継ぎに時間を割くなど、職場への配慮を示すことが重要です。
対処法④:直属の上司以外にも相談する
直属の上司が拒否する場合、人事部門など別の責任者に相談してみましょう。
感情論で一方的に上長から退職を拒否される場合も考えられます。病院として客観的に状況を把握してもらうことで、建設的な話し合いができるかもしれません。
対処法⑤:専門機関への相談も視野に入れる
労働基準監督署や総合労働相談コーナーなど、職場のトラブルに関して無料で相談を受けることができます。円満に退職したい旨を伝えることで、適切なアドバイスが得られる可能性があるため、相談先を確認しておきましょう。
以下、総合労働相談コーナーのURLを紹介します。
お礼奉公期間終了!後悔しないための転職活動の方法とは

晴れてお礼奉公が終了したあなた。もし転職を少しでも考えている場合、将来を見据えて後悔しない選択をしたいはずです。
それでは、どのような点に注意してキャリアの選択を行えばいいのでしょうか。具体的に見ていきたいと思います。
お礼奉公が終わる前にできるキャリアの選択肢
後悔のないキャリアデザインの手順と方法を紹介します。以下の6ステップを踏むことで、自分に合ったキャリアパスを見つけられ、後悔のない転職の判断につながりやすくなります。
なお、各ステップの内容については、以下の記事でさらに詳しく解説していますので、併せてご参考ください。
「印象深いエピソード」を10件抽出
棚卸ししたそれぞれの経験に「満足度」を数値評価(1~10点)
以下のフレームワークを活用して自身の能力を言語化、視覚化
- 「SWOT分析」
- 「ジョハリの窓」
- 「Will Can Must」
以下の3段階に分けて転職基準(給料、就業形態、仕事内容、教育体制等)を明確に設定
- 「必須条件」
- 「優先条件」
- 「理想条件」
- 定性的データの収集:
求められる看護師の能力、人物像等を確認 - 定量的データの収集:
離職率、研修時間、有給消化率等を確認
想定されるキャリアを複数挙げ、ケースごとに3年後予想をシミュレーション
(ケースの例)
- 「現職継続」ケース
- 「同規模病院転職」ケース
- 「専門クリニック転向」ケース など
本当に転職すべき?続けるべき?見極めのポイント
今の病院を続けるべきか、転職するべきか…。
この悩ましい選択を見極めるためのポイントを以下に挙げていきたいと思います。
以下のポイントを整理して、あなたの状況に合った選択を慎重に検討することが大事です。
- 今の職場の満足度は高いか?
- 希望するキャリアの可能性を感じるか?
- 心身の健康に影響が出ていないか?
- 転職後の目標が明確になっているか?
- 職場内での異動の可能性はあるか?
- 給与や待遇面に不満があるか?
見極めポイント1:今の職場の満足度は高いか?
人間関係や業務内容、給与などに満足しているかを評価します。特にストレスが少なく、働きやすい環境であれば継続するメリットがあります。
以下の記事では、反対に、看護師さんが絶対避けるべき職場の特徴を解説しています。併せてご参考ください。
見極めポイント2:希望するキャリアの可能性を感じるか?
現職でスキルアップや希望するキャリア形成が可能かを確認します。あなたが目指すスキルや専門性が得られない場合は、転職で新しい環境を探すこともひとつの選択肢になります。
見極めポイント3:心身の健康に影響が出ていないか?
現職で過度な疲労やストレスを感じている場合は、積極的に転職を検討します。心身の健康を保つことは長期的な働き方においてはとても重要です。
見極めポイント4:転職後の目標が明確になっているか?
転職後に何を達成したいかが明確であればある程、転職が有効だと考えられます。
- 「スキルアップ」
- 「新しい分野への挑戦」
など具体的な目標がある場合は、前向きな転職につながるはずです。
見極めポイント5:職場内での異動の可能性はあるか?
今の病院内で異動が可能な場合は、内部異動も選択肢となります。内部異動により新しい部署に配属されることで、あなたのキャリアプランへの適合が叶えば、転職よりもリスクや心身の負担が少ない選択肢となります。
以下の記事では、異動か転職かの判断に迷う場合のポイントを解説しています。併せてご参考ください。
見極めポイント6:給与や待遇面に不満があるか?
給与や勤務条件に不満がある場合、条件交渉が難しければ転職を検討します。条件のいい職場への転職は、働きがいと生活の質の向上につながります。
以下の記事では、働きがいのある職場の特徴を解説していますので、併せてご参考ください。
お礼奉公後の転職で有利な職場とは?
最後に、急性期病院でお礼奉公を終了した看護師さんのケースを想定して、どのような職場が有利に転職活動を進められるか考えたいと思います。
以下の職場は、急性期病院での経験を高く評価し、即戦力として期待される可能性が高いと考えられます。
転職の際は、あなた自身のキャリアプランや希望する労働環境を考慮して選択するようにしましょう。
①大規模急性期病院
今の急性期病院での経験が高く評価されるため、より規模の大きな病院や専門性の高い急性期病院への転職も可能になります。
②地域の中小規模病院
積み上げたスキルや専門性をさらに高めながら、やや余裕のある環境で働きたい場合に適しています。急性期看護の経験を持つ即戦力として歓迎されやすくなります。
ただし、候補先の看護師数が充足しているか、しっかり確認してから職場を選択することが大事です。
③専門クリニック
急性期病院での経験を、透析クリニックや不妊クリニックなど専門性の高い領域で活用するとともに、より専門性の高い知識を学ぶ意欲が評価されます。
クリニックへの転職を検討する場合、以下の記事で詳しく解説していますのでご参考ください。
④リハビリテーション病院
急性期病院での経験を活かしながら、より患者さんとじっくりと向き合える環境を求める場合におすすめの職場です。安定した環境で、精神的なストレス軽減も期待できます。
⑤訪問看護ステーション
急性期病院での経験を活かしながら、より患者さんに寄り添う看護を実践したい場合の選択肢となります。
一人で患者さん宅を訪問し、必要なケアを実践できるスキルと知識、経験を備えているため、即戦力として有利に転職を進められるはずです。
まとめ
この記事では、お礼奉公のルールと期間内転職の注意点、お礼奉公終了後の転職の見極め方法について解説してきました。
最後に、お礼奉公中の退職に関するポイントをまとめたいと思います。
- 退職の自由がある
- 奨学金の即時返済を求められる
- 契約に沿った対応が必要
- 円満退職を心掛ける
続けるにせよ、辞めるにせよ、後悔がないように不安を解消して、納得のいくキャリアを築きましょう。
この記事を参考に、看護師さんの有意義なキャリア形成に役立てていただけると幸いです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。