異動か転職か?看護師が職場で悩んだときに考えるポイントを解説

「転職」と「現状維持」の2つのカードを持つ手の写真

Q. 今の職場がしんどいのですが、異動と転職どちらを選べばいいのでしょうか?

「今の職場、ちょっとしんどい…」

「異動したいけれど言い出せない」

「転職を考えているけれど、踏み出せない」

こういった悩みを抱えながら働いている看護師は少なくありません。

元病院人事として採用・定着の両面に関わってきた立場からお伝えすると、「異動か転職か」という問いに対して、どちらが正解かは状況によって変わります。

ただし、どちらを選ぶにしても共通して重要なのは、「何が問題で、何を変えたいのか」を整理してから動くことです。

この記事は、異動か転職かで悩んでいる看護師が、判断の軸を整理するためのページです。

目次

結論:

カギに紐づけられている札に「ANSWER」と書かれたイラスト

どちらが正解かは状況によります。まず「何が問題か」を整理することが先です。

「異動すれば解決するのか」

「転職しなければ変わらないのか」

は、問題の性質によって変わります。

  • 今の部署の問題なのか
  • 職場全体の問題なのか
  • 看護師という仕事そのものへの疑問なのか

それぞれによって、選ぶべき手段は違います。

異動と転職のメリット・デメリットを整理する

「MERIT〇」「DEMERIT×」と書かれた2枚のカードを掲げているイラスト

まず、それぞれの選択肢の特徴を整理しておきます。

異動転職
メリット福利厚生や給与体系が変わらない
経歴が途切れず退職手続きが不要
組織文化はすでに理解している
職場環境・人間関係を大きくリセットできる
希望の診療科や勤務形態を一から選べる
給与・待遇が改善する可能性がある
キャリアの方向性を大きく転換できる
デメリット人間関係の一部は継続する可能性がある
異動の希望が通らない場合がある
自身の評価や印象は引き継がれる
入退職の手続きが必要
新しい職場の文化への適応が必要
給与や休暇が減る可能性がある
異動と転職のメリット・デメリット比較表

このように、異動と転職では「変えられる範囲」が大きく異なります。

どちらが自分の問題に対応しているかを考えることが、判断の出発点になります。

病院人事の立場から見た「判断の軸」

虫眼鏡のレンズに「判断」と書かれたイラスト

採用担当として転職者の面接を数多く行ってきた経験から、正直にお伝えします。

「異動を試みた経験がある人」の印象

面接の場で、

「まず異動を希望したが、かなわなかったため転職を決めた」

と話せる候補者は、採用側の印象が良くなりやすいです。

「問題が起きたらすぐに職場を離れる人」ではなく、「今の環境でできることを試せた人」という評価につながるからです。

逆に、異動の可能性を探ることなく転職を決めた場合、「次の職場でも同じことをするのでは」という懸念を持たれやすくなります。

異動が現実的かどうかの判断軸

今の職場で異動を試みる価値があるかどうかは、以下の点を確認することで判断しやすくなります。

  • 悩みの原因が「今の部署」に限定されているか
  • 職場全体の文化や方針には問題がないか
  • 上司や師長に相談できる関係性があるか
  • 定期的な人事面談や異動希望の申し出の仕組みがあるか

これらに当てはまる項目が多ければ、まず異動を試みる価値があります。

逆に、職場全体の構造的な問題(ハラスメント・慢性的な人員不足・方針への不満)であれば、異動では解決しにくいと判断できます。

看護師が避けるべきNG職場の特徴を解説したこちらの記事も参考にしてください。

判断の順番

付箋に「STEP1」から「STEP4」まで順に矢印で書かれたイラスト

悩んでいるとき、次の順番で考えることをお勧めします。

STEP

何が問題かを言語化する

まず、「しんどい」という感覚の中身を分けて整理します。

  • 今の部署の業務内容が合わない
  • 特定の人間関係が問題
  • 夜勤など勤務形態の問題
  • 職場全体の方針や文化が合わない
  • 看護師という仕事そのものへの疑問

問題が一つとは限りません。

複数あるなら、何が一番大きいかを整理します。

STEP

今の職場で異動の可能性を探る

問題が「今の部署」に限定されるなら、最初に異動を検討します。

希望を上司に伝えることをためらう必要はありません。

何も表現せずにモヤモヤした状態で働き続けることは、あなたにとっても職場にとっても良い状態ではありません。

仕事の適性は誰にでもあります。

外科系病棟が合わない人が内科・慢性期・外来に移ることで、働きやすさが大きく変わるケースは少なくありません。

STEP

異動がかなわない・解決しないなら転職を検討する

異動希望を伝えても通らなかった、あるいは異動しても問題が解決しそうにない場合は、転職を前向きに検討していきます。

その際も「今の職場が嫌だから」という理由だけで動くより、

「次にどんな職場で、どんな看護をしたいか」

を言語化してから動く方が、転職の質が上がります。

よくある質問(FAQ)

ブロックで「FAQ」と書かれたイラスト

異動希望を上司に言っても大丈夫ですか?

言っても問題ありません。医療機関によっては年2回程度、上司との面談機会を設けているところもあります。

希望が必ず通るとは限りませんが、何も言わなければ「今の部署で問題ない」と判断され続けます。

自分のキャリアのために、意思表示することは重要です。

異動がかなわなかった場合、どうすればいいですか?

転職を検討する段階に進みます。

「異動を希望したが通らなかった」という事実は、面接の場で志望動機の一部として正直に話せる内容です。採用側には「できることを試せた人」として伝わります。

その後の転職活動では、「次に何を求めるか」の自己分析をしっかり行ってから動くことが重要です。

異動か転職か、どちらにするかを決められないまま時間が過ぎています。

決められないこと自体は珍しいことではありません。

ただし、迷ったまま何もしない状態が続くと、心身の消耗だけが積み重なりやすくなります。「今すぐ決断する」より「まず一つだけ行動する」ことをお勧めします。

たとえば、上司に面談を申し込む・求人情報を眺めてみる、その小さな一歩が考えを整理するきっかけになります。

まとめ

画用紙と絵具を背景に「まとめ」と書かれたイラスト

「異動か転職か」に正解はありません。

大切なのは、何が問題でどちらが解決策として合っているかを整理することです。

  • まず問題を言語化する
  • 今の職場で異動の可能性を探る
  • それでも解決しないなら転職を前向きに検討する

    この順番で考えることが、後悔しない判断につながります。

    異動を検討した後、転職していいのか迷った方に向けて、判断に必要な視点を3つ紹介した記事もあります。

    そもそも看護師に向いていないかもと感じた場合にどのような整理をすべきか、以下の記事で解説しています。

    迷ったときは、一人で抱え込まずに相談してみてください。

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    この記事を書いた人

    吉澤 宏行のアバター 吉澤 宏行 社会保険労務士・医療機関専門コンサルタント

    吉澤社労士事務所代表。社会保険労務士・国家資格キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)として、医療機関の労務と人材課題に専門的に携わっています。
    医療機関で25年間事務職に従事。総務、経理、医事、健診部門など幅広く経験を積み、2024年4月に独立。地元・東京都日野市にて医療機関専門社労士として活動中。

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