「履歴書に何を書けばいいのやら…」
転職活動で、このような悩みを抱える看護師さんも多いはずです。
看護師が転職する場合、履歴書にどのようなことを書いてアピールしたらいいのか、そもそもどのような履歴書を使うべきなのか…
この記事では、看護師さんの転職で押さえておくべき履歴書の選び方から採用されるための書き方まで解説し、採用担当者が重視するポイントについても紹介しています。
なお、筆者は元病院人事として多くの看護師さんの採用に関わってきました。
是非この記事を読んでいただき、今後のキャリアプランや転職活動の参考にしていただけるとうれしいです。
看護師の履歴書はココが重要!採用担当が見るポイント

採用担当者が看護師の履歴書を見る場合、一体どのような項目を重視しているのか。
はじめに、看護師さんの転職における履歴書の重要項目を解説します。
採用担当者が注目する5つの項目とは?
採用選考が始まるのは、面接からではありません。あなたが書いた応募書類が、採用担当者に届いたところから始まっています。
いくら優れた経歴やスキルを持っていても、あなたの魅力が伝わらない履歴書では、採用担当者の目に留まることはできません。
その一方で、応募書類のアピール次第では、ハードルの高そうな希望先の面接まで進めるかもしれません。
ここでは、採用担当者が特に注目するポイントを挙げていきたいと思います。
注目点①:職歴
中途採用する場合、採用担当者が最初に確認したいのは職歴です。
まず職歴をみて、自院の募集条件に適した人材かどうか判断します。
常勤・非常勤を問わず看護師として勤務した期間の入職と退職の事実を正確に書きます。ここでは、職歴に合わせてアピールできそうな担当業務も簡単に書き添えておくのもいいでしょう。
注目点②:志望動機
採用担当者が職歴の次に確認したいのは志望動機です。
志望動機からあなたの意欲を読み取ります。応募者がなぜその病院を選んだのか、具体的な理由を記載しているかどうかが重要です。
医療機関はそれぞれ特徴を持っています。「急性期医療に携わりたい」など一般的な理由ではなく、応募先の病院や施設特有の魅力を挙げることが求められます。
面接で必ず聞かれる項目ですので、マニュアル通りの記載ではなく、あなた独自の動機を面接で語れることをイメージして書く必要があります。
注目点③:自己PR
自己PRからは、あなたのスキルや経験が病院の求める人物像に合っているか、また、仕事に対する姿勢を確認します。
自分にどのようなスキルや実績があるか、それらを活かして候補先の病院に対してどのように貢献できるかが記載のポイントになります。
自己PRも、面接で必ず聞かれる質問のひとつですので、面接で語ることを前提に内容を構成することが大事です。
注目点④:免許・資格
免許・資格欄も当然注目する項目です。看護師免許はもとより、専門性をアピールできる資格は積極的に書くことをおすすめします。
原則、看護業務に関連のある資格を記入しますが、関連性が低くても社会的に評価の得られた資格であれば書いても問題ありません。向上心がある人物と評価につながる可能性があります。
注目点⑤:趣味・特技
筆者個人的には、趣味・特技欄の内容は比較的注目していました。採用担当者は、ここで書かれた趣味や特技の内容から、あなたの人柄や個性をイメージします。
この項目も、面接で聞かれることを想定して記載することがポイントになります。面接の中盤以降、雑談交じりに盛り上がって場の空気が和むことがよくあります。
逆に、変わった人と取られるような内容は書かない方が無難です。
履歴書で「採用したい」と思わせる書き方のコツ
採用されやすい履歴書を書くためには、いくつかのポイントがあります。
以下のポイントを踏まえて履歴書の作成を進めることで、採用担当者から好印象を受ける可能性が高まります。
コツ①:志望動機は「具体性」と「熱意」そして「貢献力」
志望動機欄では、もし応募先に採用された場合、あなたがいかにその病院に看護師として貢献できるのか、より具体的に説明できるかどうかがポイントになります。
応募する病院は全て同じではありません。それぞれ特徴を持っています。マニュアル本などからそのまま引用して書いても評価されません。
あなたがこの病院に就職しなければならないポイントを見つけて、熱意を込めて志望動機をまとめることが重要です。
面接では、志望動機を自分の言葉で語ることができなければ、採用担当者には響きません。面接でプレゼンすることを想定したうえで、志望動機の方向性を明確にしておきましょう。
記入欄は少なくとも8割程度は埋めるように意識しましょう。空欄が多いことで意欲が足りないと評価する担当者もいるかもしれません。
なお、ページの中盤で、転職候補先別の志望動機の考え方を解説します。
以下の記事では、面接で受かる人の特徴を解説していますので、併せてご参考ください。
コツ②:自己PRは「スキル」と「実績」そして「貢献力」
自己PR欄では、これまでの現場経験で積み上げたスキルと実績を候補先にアピールするものです。
しかし、単にあなたが持っているスキルや実績を書いて並べるだけではなく、あなたが持つスキルや過去の成果が応募先でどのように役立つかを説明できるかどうかがポイントになります。
志望動機に関しても、ページの中盤以降に、経験年数別で書き方の違いを詳しく説明しています。
コツ③:趣味・特技は「人間的魅力」と「ストレス耐性」
趣味・特技欄はあなたの人間的魅力を伝えるために活用すべき項目です。
スポーツならどんな種目なのか、そして、その種目を実際にプレーするのが好きなのか、観るのが好きなのか。どの位の頻度でプレーするのかも記載するとイメージしやすいです。
読書や映画であれば好きなジャンル、作家や監督などを書きます。ただし、他人から見てマニアックな印象を持たれるような内容は控えた方がいいでしょう。
これらの趣味や特技から、さらにあなたのストレス耐性をイメージします。看護師は非常にストレスのかかる仕事です。オンとオフの切り替えを上手に行い、自院で長く働いてもらえる人材かどうかを確認します。それを踏まえて記載する内容を考えることが重要です。
コツ④:証明写真は「印象」と「雰囲気」
履歴書の写真は、採用担当者の第一印象を大きく左右する重要な要素とも言えます。
写真は人の視覚に訴えますので、担当者が履歴書を開封したときに何気なく最初に目に入る箇所です。容姿で判断するわけではありませんが、担当者はその人の雰囲気や印象を写真から感じ取ります。
以下に、写真撮影時のチェックポイントをまとめます。
写真撮影時のチェックポイント
- 髪の乱れを直す
- 眉毛を整える
- 眼鏡はまっすぐに
- 口角を少し上げる
- スーツ姿が望ましい
- できれば濃い色の服を選ぶ(淡い色の服は顔がぼやけた印象に)
- メイクは色を控えめに(カラー写真では実際の色よりも鮮やかに見える、アイカラーやチークなどの色数・色味は抑えめに)
看護師の履歴書:NGポイントを解説!よくあるミスと改善例

ここでは、看護師の履歴書作成において、やってしまいがちなミスとその改善策を紹介します。
よくあるミスと改善策
履歴書作成の前にありがちなミスを想定しておくことは、とても大事なことだと考えます。
なぜなら、いくら経歴やスキルが輝かしくても、応募書類がいい加減だとその魅力は半減するからです。
以下の改善策を取り入れることで、履歴書の完成度が高まり、採用担当者に良い印象を与えられる可能性が高まるでしょう。
NG①:誤字脱字や記入漏れ
PC入力で作成する場合、書類データを使いまわしすると、別の志望先の内容が残ってしまうリスクがあるため注意が必要です。
履歴書に誤字脱字や空欄項目があると、「確認作業をしない」とか「ミスが多い」と判断される可能性があります。
《改善策》記入後の確認を徹底する
- 書き終えた後に必ずセルフチェックし、できれば第三者にも確認してもらいましょう。
NG②:志望動機が抽象的すぎる
「貴院の看護理念に共感した」など漠然とした表現では具体性に乏しく、説得力に欠けます。
履歴書は人事担当者だけではなく看護部門の責任者も見ます。自分の上司になる人が聞いてみたくなるような情報を提供するつもりで書くことが重要です。
《改善策》志望動機は具体的に書くことを意識する
- 自分の経験と応募先病院の理念や特徴を結びつけて記載しましょう。
- 例文:「療養病棟で培った生活密着型ケアの経験を活かし、貴院が目指す地域医療への貢献に寄与したい」
NG③:文章のまとまりがない
長文で情報を詰め込みすぎると読みづらくなり、採用担当者の印象を悪くする可能性があります。読み手のことを考えて文書を作成する力は、社会人として当然持っておくべき要素です。
《改善策》簡潔でまとまりのある文章作成の方法を知る
- PREP法を活用して、要点を簡潔にまとめましょう。
PREP法とは「結論→理由→エピソード」の順で話すことです。
この順番で話せば、相手に伝わりやすくより説得力のある話ができるようになるので、試してみましょう。
NG④:自己PRが不十分または誇張しすぎ
職務経歴だけで終わってしまう自己PRは、採用担当者にアピールポイントが伝わりません。
また、経歴やスキルのみを誇張すると、担当者の信頼性を損ねるリスクがあります。
《改善策》自己PRは具体的なエピソードを中心に書く
- 自分が学んだことや病院側へのメリットを明確に記載しましょう。
- 例文:「5年間急性期病棟で培った緊急対応力や団結力、協調性を活かし、貴院でも迅速かつ的確なケアを提供できます」
NG⑤:書類の形式ミス
手書きの場合、黒以外のペンで記入することや、特に修正液・修正テープを使用するなどの形式的なミスは絶対にNGです。
年号が西暦と和暦で混在している場合も不適切です。
履歴書が汚れていたり、不適切なところで折れ曲がっていたりするのも、担当者の印象を悪くします。
《改善策》ミスパターンを事前認識しておく
- 手書きの場合は、黒いインクのペンで記入し、誤字脱字が見つかったら修正テープは使わず全て書き直しましょう。
- 年号は西暦または和暦で統一しましょう。提出前に必ず全体的なチェックをしましょう。
よくある疑問:こんな場合どうする?
履歴書作成でリスクになりがちなケースとして、以下の2点を紹介します。
疑問①:「退職理由」の欄がある場合は正直に書くべきか
人間関係の問題など、ネガティブな退職理由が実際にあった場合、それをそのまま理由として書いたとしても、あなたに何の利点もありません。
むしろマイナスの印象がついてしまいますので、ネガティブな理由をそのまま書くのは極力やめましょう。
たとえ建前であっても、「スキルアップを目指すため」、などポジティブな印象を与える内容を書くことが大事です。
疑問②:本人希望記入欄は正直に書いていいのか
本人希望欄は、あなたが勤務するうえで絶対に譲れない条件がある場合に、それを公式に伝えるために使います。
そのため、「可能であれば」程度の希望であれば書かない方が無難です。その希望を書いてしまったがために、応募先に不採用の理由を与えることにもなりかねません。
例えば、「育児のため日勤を希望します」などは、希望していたとしても履歴書には書かずに、面接以降の機会をみて相談ベースで行う方が得策と言えます。
履歴書の完成度を高める最終チェック表
履歴書の提出前に必ずチェックしておきたい基本項目をまとめました。是非ご活用ください。
- 全ての記入欄に漏れはないか
- 空欄が目立つ箇所はないか
- 日付を記入したか(原則、投函・持参した日付)
- 文字の大きさは読みやすいか
- 誤字脱字、年月の間違い、年号の混在はないか
- 行間が詰まりすぎてないか
- 志望動機は面接で話すことを前提としたものか
- 写真は好印象を与えるものか
- インクの滲みやこすれなどがないか
- 書類が折れ曲がったりシワになっていないか
- コピーはとったか
転職候補先別|看護師の志望動機の書き方

ここでは、転職候補先別に志望動機の作成例を考えてみたいと思います。
志望動機の重要ポイントは、以下の2点です。
- 候補先独自の特徴やキーワードを挙げること
- あなたの経験を活かしてどのような仕事をして貢献していきたいかを伝えること
今回、具体的に志望動機を考えていくうえで、以下のような転職者のモデルを設定しました。
【モデル看護師】
「新人から中規模急性期病院の消化器内科病棟で働いている7年目の中堅看護師」
このモデル看護師が転職の履歴書を作成する場合、どのような内容を書くべきなのか。
転職候補先のパターンごとに、採用されやすい志望動機の書き方のコツをご紹介します。
以下の基本的なポイントを押さえつつ、あなたが希望する候補先の特徴や理念に合わせて具体的にカスタマイズするようにしてください。そうすることで、採用担当者により強くアピールできる志望動機となります。
大規模急性期病院への志望動機
- ①経験の活用と成長意欲を強調する
-
- 中規模急性期病院での7年間の経験を活かせる点を具体的に述べる。
- より幅広い症例や高度な医療に携わりたい意欲を示す。
- ②チーム医療への貢献をアピール
-
- 大規模病院での多職種連携の重要性を理解していることを示す。
- 消化器内科での専門性を活かしつつ、他科との連携にも積極的に取り組む姿勢を表現する。
- ★例文
-
「7年間の消化器内科での経験を活かし、より多様な症例に対応できる能力を磨いていきたいと考えています。貴院の先進的な医療体制の中で、多職種連携を通じて患者様により質の高い看護を提供したいと思い、志望いたしました。」
中小規模ケアミックス病院への志望動機
- ①急性期と慢性期の橋渡し役としての意欲を示す
-
- 急性期での経験を活かしつつ、長期的な患者ケアにも関心があることを伝える。
- 患者さんのQOL向上への貢献意欲を示す。
- ②地域医療への関心をアピールする
-
- 地域に根ざした医療の重要性を理解していることを示す。
- 在宅復帰支援など、患者の生活を見据えたケアへの意欲を表現する。
- ★例文
-
「急性期病院での経験を活かしながら、患者様の長期的なQOL向上に貢献したいと考えています。貴院のケアミックス型の診療体制において、急性期から回復期、在宅復帰までの一貫したケアに携わり、地域医療に貢献したいと思い、志望いたしました。」
専門クリニックへの志望動機
- ①専門性をより深める意欲を示す
-
- 消化器内科での経験を活かし、より専門的な知識やスキルを磨きたい意欲を伝える。
- 応募先クリニックの特徴や強みに対する理解と共感を示す。
- ②患者との密接な関係構築への関心をアピールする
-
- クリニックならではの患者との継続的な関わりに魅力を感じていることを表現する。
- 患者さんへの丁寧な説明や教育など、きめの細かいケアへの意欲を示す。
- ★例文
-
「消化器内科での7年間の経験を活かし、貴クリニックの専門性の高い医療に貢献したいと考えています。また、患者様との密接な関係を築き、より丁寧な看護と患者教育を行いたいと思い、志望いたしました。」
クリニックへの転職については、以下の記事で詳しく解説しています。併せてご参考ください。
履歴書を書く前に知っておくべき転職成功のコツ|自己PR編

履歴書を書く前に重要なのは、己を知ることです。
つまり、自己分析を行い、あなたの特性や価値観、強みについて深掘りすることが非常に重要です。
ここでは、効率的に自己分析を進めるための方策について解説します。
採用担当者に響く「自己PR」の作り方
採用担当者に刺さる自己PRを作成するためには、効果的に自己分析を行うことが重要です。
自己分析を踏まえ、具体的なエピソードと数値を交えながら、看護師としての専門性と今後のキャリアビジョンを明確に示すことが、担当者に刺さる自己PRづくりのポイントです。
以下、ポイントをまとめます。
- ポイント①:具体性を重視する
-
あいまいな表現を避け、具体的なエピソードや数値で表現することがポイントです。
- ポイント②:経験年数に見合った視点を活かす
-
例えば、中堅看護師であれば、新人期と比較して成長した点や、より深化させた専門性を明確にすることがポイントです。
- ポイント③:多角的な視点で分析する
-
自己評価だけでなく、他者からの評価も取り入れることがポイントです。
- ポイント④:キャリアの転換期を意識する
-
例えば1~3年目の新人期や7年目前後の中堅期においては、自身のキャリアの転換期であることを認識し、今後のキャリアビジョンを描くことがポイントです。
以下の記事では看護師のキャリアプランの考え方について解説しています。併せてご参考ください。 - ポイント⑤:自己効力感を高める要素を特定する
-
成功体験や担当した実習指導等の役割など、自己効力感を高める要因を探し出すことがポイントです。
- ポイント⑥:継続的な自己学習の仕組みを反映させる
-
日々の看護業務を実践するための、自己学習の取り組みを整理することがポイントです。
より具体的な自己分析の方法については、以下の2つの記事で解説しています。併せてご参考ください。
経験年数別|新人・中堅それぞれのアピール方法
ここでは、新人期(1〜3年目)と中堅期(7年目)の看護師を例に、履歴書におけるそれぞれのアピール方法を考えていきたいと思います。
それぞれの段階に応じたアピールポイントを踏まえ、具体的なエピソードを交えながら自己PRを作成することで、より説得力のある履歴書を作成できます。
新人期のアピールポイント
新人期のアピールポイントは、主に向上心や柔軟性にあると考えます。
- 新人期ポイント①:向上心と学習意欲
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新しい知識やスキルの習得に積極的な姿勢をアピールする
- 新人期ポイント②:柔軟性
-
新しい環境や領域への適応力をアピールする
- 新人期ポイント③:基本的な看護スキル
-
これまで看護の現場で学んできた基礎知識と実務経験を示す
- 新人期ポイント④:チームワーク
-
先輩看護師や他職種との協調性を示す
- 新人期ポイント⑤:患者さんへの思いやり
-
患者さん中心のケアに対する熱意を表現する
中堅期のアピールポイント
中堅期のアピールポイントは、主に現場経験から得た経験、スキル、専門性にあると考えます。
- 中堅期ポイント①:豊富な臨床経験
-
様々な症例や状況への対応経験を具体的に表現する
- 中堅期ポイント②:専門性とスキル
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特定の分野や疾患に関する深い知識やスキルをアピールする
- 中堅期ポイント③:リーダーシップ
-
後輩指導やリーダー業務などから得たチームマネジメントの経験を強調する
- 中堅期ポイント④:問題解決能力
-
複雑な症例や緊急時の対応能力を具体的に示す
- 中堅期ポイント⑤:多職種連携
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医師や他職種とのコミュニケーション能力をアピールする
- 中堅期ポイント⑥:業務改善への貢献
-
看護の質向上や業務効率化への取り組みを具体的に表現する
手書きorパソコン?履歴書の作成方法のメリット・デメリット

履歴書作成のよくある疑問として、手書きがいいのか、それともPC入力がいいのか、という問題があります。
最後に、履歴書の作成方法について解説したいと思います。
手書きとPC入力のメリット・デメリット
結論から先に申し上げると、PCで作成しても問題はないと考えます。
人事担当者は何枚もの応募書類に目を通す必要があります。
つまり、担当者が応募書類全般に求めるのは「見やすいこと」です。
ただし、病院によっては応募書類の条件が決まっていたり、担当者個人の好みがあるのも事実です。それらを踏まえ、それぞれメリット・デメリットをまとめたいと思います。
メリット | デメリット | |
手書き | ・丁寧な字で書くことで誠実さや真面目さを伝えられる | ・人柄や熱意をより効果的にアピールできる・書き間違えた場合、新しく書き直す必要がある ・字の上手さや読みやすさで評価が左右される可能性がある | ・作成時間がかかる
PC入力 | ・きれいに読みやすく仕上げられる ・文字や内容の修正が簡単にできる | ・作成時間を削減できる・文章の使い回しによる内容誤りのリスクがある ・こなれた印象を与える可能性がある | ・人柄や熱意が伝わりにくい
手書きとPC入力のそれぞれの注意点
次に、履歴書を手書きで作成する場合と、PC入力で作成する場合、それぞれの注意点をまとめたいと思います。
- 手書きで作成する場合
使用するペンは自分の書きやすいものを使うのが基本ですが、ボールペンを使う場合は、ゲルインクタイプで、インクの色は黒、0.7ミリのタイプがおすすめです。
誤字・脱字の場合でも、絶対に修正液や修正テープは使わないようにしましょう。 - PCで作成する場合
用紙はA4サイズの白が基本になります。他の受験者が提出した市販の履歴書に見劣りしないように、厚手の上質紙を使用するのも手です。
経験年数別|自分に合った履歴書のフォーマット選び
市販の履歴書は、フォーマットが決まってしまっているため、自身の経歴をうまくアピールするのにふさわしくない場合があります。
ここでは、履歴書のフォーマット選びのポイントについて解説します。
履歴書フォーマットの選び方の基本
履歴書フォーマットを選ぶ際のポイントとして、以下の2点を挙げられます。
- アピールしたい内容を全て書けるスペースがあること(職歴・資格)
- 全て書きあがったときに空白が目立たないこと
履歴書に空白が多くなると、担当者によっては手抜きの印象を与えてしまうリスクがあります。
つまり、自分が書くことが少ない項目や書きたくない項目については、その欄のスペースができるだけ小さいものを選ぶことがポイントになります。
- 職歴が少ない人
→職歴記入欄が狭いタイプがよい(その分広くとられた他の欄で人柄や熱意をアピールできる) - 職歴が多い人
→職歴記入欄が広いタイプがよい(豊富な経験とスキル、それに裏打ちされた志望動機をアピールできる)
次の項では、新人期と中堅期にそれぞれ適した履歴書フォーマットの選び方について解説します。
新人期看護師に適した履歴書作成方法(第二新卒)
まず、新人期(1〜3年目)の看護師さんに適した履歴書作成方法について解説したいと思います。
履歴書の様式
新人期の看護師には、新卒者・職歴の少ない方向けの様式が適しています。特徴は以下のとおりです。
- 「学歴・職歴」欄が広く設けられている
- 「趣味・特技」「自己PR」などの欄がある
- 空欄が目立ちにくい
作成上のポイント
新人期の看護師の場合、手書きの履歴書を戦略的に活用して、人柄や熱意をアピールするのも手です。
ただし、応募先の指定様式の有無は必ずチェックしましょう。
例えば、看護師になろうと思ったきっかけを書くなど、新人期ならではのアピールポイントを盛り込むことで、評価を高められる可能性があります。
中堅看護師に適した履歴書作成方法
次に、中堅期の看護師さんに適した履歴書作成方法について解説したいと思います。
履歴書の様式
中堅看護師の場合、職歴や実績を十分に記載できる様式を選ぶことが重要です。
後で紹介しますが、既成のフォーマットをダウンロードして、自分仕様にして使うのもひとつの方法です。
また、JIS規格の一般的な履歴書様式を使用し、必要に応じて別紙を添付する方法もあります。
作成上のポイント
様々な経験を持つ中堅看護師の場合、以下の理由などからPC入力での作成が適していると考えます。
- 豊富な経験や実績を効率的に記載できる
- 専門性や具体的な業績を詳細に記載できる
- 必要に応じて職務経歴書などを追加し、経験値や強みを十分にアピールできる
ただし、応募先に応じて、手書きとPC入力を使い分けることも重要です。
また、以下の項目を盛り込むことで、経験を活かしたより魅力的な履歴書を作成できます。
- 職歴欄には具体的な役割や業績を記載する
- 資格欄には看護師免許のほか、専門や認定の資格を強調する
- 学歴・職歴は時系列で習得したスキルや経験を簡潔に記載する
看護師向けの履歴書フォーマット一覧
看護師さんの転職に必要な履歴書フォーマットは、以下のサイトからダウンロードできます。
ただし、応募先の指定や希望に応じて適切なフォーマットを選択することに注意しましょう。
- ①厚生労働省規格の履歴書テンプレート
-
厚生労働省が推奨する標準的な履歴書テンプレートは、ハローワークインターネットサービスなどからダウンロードできます。
様式のダウンロードサービスの他、応募書類の作り方や注意点などを掲載したパンフレットの情報も提供しています。以下のリンクからご参照ください。 - ②リクナビNEXTの履歴書テンプレート
-
リクナビNEXTのウェブサイトでは、Word、Excel、PDF形式で履歴書テンプレートをダウンロードできます。
厚生労働省規格のフォーマットの他、経験豊富な方向けや、新卒・第二新卒向けなど、複数のテンプレートが用意されています。
職務経歴書のフォーマット(編年体式、逆編年体式、キャリア式)の提供もしています。参考:リクナビNEXT 履歴書テンプレート・職務経歴書フォーマットの無料ダウンロード(Excel・Word・PDF)と見本
- ③看護師専門転職サイトのテンプレート
-
看護師向け転職サイト「ナースキャリアネクスト」では、看護師さん向け履歴書テンプレート(見本付き)をExcel形式でダウンロードできます。
和暦・西暦早見表付きで、実際の履歴書作成に便利なテンプレートとなっています。参考:ナースキャリアネクスト 看護師の履歴書 書き方ガイド【見本・テンプレートあり】
なお、以下の記事で主要な看護師転職サイトの比較を行っています。併せてご参考ください。
まとめ
この記事では、看護師さんの転職で押さえておくべき履歴書の選び方や採用されやすい書き方、採用担当者が重視するポイントについて解説してきました。
最後に、「採用したい」と思わせる履歴書の書き方のポイントをまとめたいと思います。
- 志望動機は「具体性」と「熱意」そして「貢献力」
- 自己PRは「スキル」と「実績」そして「貢献力」
- 趣味・特技は「人間的魅力」と「ストレス耐性」
- 証明写真は「印象」と「雰囲気」
看護師さんの転職では、履歴書の選び方や書き方次第で、転職活動の有利不利に少なからず影響を与えることがお分かりいただけたかと思います。
この記事を参考に、あなたの転職活動を有利に進めるとともに、有意義なキャリア形成に役立てていただけると幸いです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
参考:森本千賀子著『本気の転職パーフェクトガイド』・新星出版社