これから看護師の採用面接に臨むあなたへ。
いま不安な気持ちでいっぱいだと思います。
「面接でどんなことを聞かれるのだろう…」
「緊張してうまく話せなかったらどうしよう…」
この記事では、転職活動に励む看護師さんが面接で受かるにはどうすればいいのか、その具体的なアドバイスと自信を持って面接に臨むためのポイントをお伝えします。
なお、筆者は元病院人事として500人を超える看護師さんの採用面接を行ってきました。
この記事を読んで、面接への不安が少しでも軽減されたらうれしいです。
看護師面接で受かるために最初に知っておくべきポイント
さっそく、看護師さんが面接で受かるために重視される能力や面接官の視点について解説したいと思います。
面接官の視点が理解できれば、どのように面接に臨むべきかが見えてきます。実際にどのように面接に臨んでいけばいいのか、具体的にイメージしながら読み進めていきましょう。
面接はなぜ怖いのか?
採用面接を前にしたあなた、面接はなぜ怖いのでしょうか?
- 真面目な性格だから?
- 失敗するのが怖いから?
- 人前で話すのが苦手だから?
理由は色々あると思います。筆者も面接は苦手です。怖いくらいです。
面接が怖いのは、もし失敗して不合格となったら、自分が否定されているような気がしてしまうからです。
しかし、これから採用面接に臨むあなたに是非知っていただきたいこと。それは、多くの医療機関が喉から手が出るほど看護師さんを必要としているということ。
つまり、面接は「落とすための試験」ではなく、あくまでも「迎え入れるための機会」だということを前もって知っておいてほしいのです。
面接の評価項目(一例)
実際、採用面接の評価はどのように行われているのか、評価項目の一例を紹介します。
- コミュニケーション能力
- 主体性
- 積極性
- 協調性
- 論理的思考
- 問題解決能力
- 創造力
- 向上心
- ストレス耐性
- 自院への入職意欲
筆者の経験上、質問に対する回答に対して個別項目ごとに5段階評価を行い、その合計得点から面接官ごとに合否の判断をしてました。
面接官同士で評価が異なる場合は、改めて協議のうえ総合的な判断から採否を決定します。
面接で最も重視される能力
面接で最も重視されるのは、やはりコミュニケーション能力になります。
「私コミュ障だから…」と気後れしている人もいるかも知れません。しかし、難しく考えずに、
「これから一緒に働く人に会いに行って、20分くらいお話をして帰ってくる」
と気楽に考えて臨んだ方が受かりやすいです。
面接官は、自己PRや志望動機を上手にすらすらと伝えることをあなたに求めていません。面接では、あなた自身のありのままの想いを、あなたの言葉で伝える能力を重視します。
セリフではなく、活きた生の言葉で伝えることが重要です。
面接官の視点
面接が苦手な筆者でも、面接官の立場になって気づいたことがあります。
それは、面接はあくまでも「マッチングの場」だということです。面接の場は、面接をする側も受ける側も、ありのままの自分を知ってもらい、お互いに良縁を見つけるための場であるということです。
面接官は、完璧な人を求めているわけではありません。自分の職場に合った人かどうか、一緒に働きたい人かどうかを見ています。
完璧な人と一緒に働くのは、少し疲れますよね。あなたは、完璧な人と一緒に働きたいと思いますか?
面接では、ありのままのあなたを知ってもらえばいいのです。実は、面接官もそれを望んでいるのです。
看護師面接:よくある質問と回答のポイント
ここでは、実際の面接でよく聞かれる質問と回答のポイントを紹介します。
あなたらしさを面接でどうアピールするか、是非イメージしながらお読みください。
看護師採用面接の流れ(一例)
まず、筆者が実際の看護師採用面接で進行していた際の、主な流れを共有します。
活字にするとかしこまった印象を受けると思いますが、面接試験というより、「入職前の顔合わせ会」のような雰囲気になるよう心掛けて行ってました。
- 面接開始(面接官:看護部長・副看護部長・人事担当)
- 面接官自己紹介(役職と氏名)
- 受験者自己紹介(名前を言う程度)
- 【人事担当から】
これまでの経歴を教えてください - 【看護部長から】
当院を受験した志望動機を教えてください(退職理由含む) - 【看護部長から】
これまでの担当業務、得意分野、委員会活動、リーダー経験の有無、目指す看護像、当院での希望部署などについて質問 - 【人事担当から】
長所と短所をそれぞれ教えてください - 【人事担当から】特技・趣味、友人関係などについて質問
- 【人事担当から】
自院への入職時期の確認(現職の退職時期や退職の確約状況含む) - 【人事担当から】
最後に何か病院に対して質問はありますか? - 面接終了(終了まで15~20分)
面接の回答ポイントと面接官の視点
次に、具体例を交えながらよくある質問の回答ポイントと面接官の視点を見ていきましょう。
質問例➊:志望動機
志望動機は、採用面接の定番の質問です。
「ホームページを見て貴院の看護理念に共感しました」
と回答する受験者はとても多いです。
しかし、それだけだと面接官に刺さりません。それに加えて、なぜ共感するのか、自身が経験した具体例などを交えて伝えると効果的です。
限られたケースにはなりますが、以下のような回答例に採用側は縁を感じてしまいます。
質問例➋:前職の退職理由
転職活動において、最もカギになる質問のひとつです。
看護師不足を抱える医療機関は、現実的なマッチングを重視します。つまり、自院に入職してから、周りのスタッフとうまくやっていけるのか、すぐに辞めたりしないか、ということを面接官はあなたの回答を聞きながら考えるのです。
前職での就業期間が短い場合、短期での就業を何件かの職場で繰り返している場合には、特に注意深く考えます。
そのため、
- 「人間関係を苦にして辞めた」
- 「仕事量が多く辛くて辞めた」
などが現実の退職理由だったとしても、今後はどのような意識を持って、どのような振る舞いで働いていきたいのか、より前向きな姿勢を伝えないと、ネガティブな印象がそのまま評価につながってしまう可能性があります。
以下の記事では、転職を考え始めたときの内省の深め方について解説しています。退職理由を考える際の参考になりますのでご一読ください。

質問例➌:職務経歴・希望部署
ここで聞かれるのは、前職での配属先、看護体制、担当業務、得意分野、委員会活動、リーダー経験の有無、目指す看護像、希望部署などです。
事前準備の段階で、少なくともこれらの項目は説明できるよう、頭の中で整理しておいた方が安心です。面接官は、即戦力として迎い入れたい思いがありますので、あなたの希望部署も聞かれることを想定して、回答をイメージしておきましょう。
ここで気を付けたいのは、事実より背伸びをした回答をしないということ。
面接の相手は看護部長や看護師長クラスです。もし背伸びした回答をしたとしても、あなたの就業先の規模や所属部署、経験年数などから、それとなく背伸びしているのがわかってしまいます。
たとえその場をやり過ごせたとしても、入職後にいずれわかってしまいますので、働きづらくなってまた転職、ということにもなりかねません。ありのままを伝えることが何より大事です。
以下の記事では、看護師さんのキャリアプランの考え方について解説しています。併せてご参考ください。

質問例❹:自己PR(長所と短所)
自己PRの質問では、面接官は、あなたの人柄に関する情報を得たいのと、あなたが自分の性格を客観的に分析できているかどうかを見ています。
採用したあと、どの業務でその能力や人柄を活かせるのかを想像します。
筆者の場合、面接では受験者の長所と併せて短所も尋ねることで、受験者のネガティブな情報も引き出していました。
短所を聞く質問に対しても素直に回答することが基本ですが、
- 「仕事を背負いすぎる」
- 「失敗を引きずる」
というような真面目過ぎる印象を与える回答は、どうしても評価が難しいというのが面接官の本音です。
そのため、ポジティブな印象を与える回答を併せて伝えることが大事になります。
例えば、
という回答をすれば、マイナス面を自分なりに克服するようにしているなと、ポジティブな評価を得られる可能性があります。
質問例❺:趣味・特技・友人関係
趣味や友人関係の質問は、受験者のストレス耐性や協調性を判断する質問項目です。受験者の素の部分が出がちになる質問のため、ここで、面接の場の空気が穏やかになることが多いです。
オフの時間をどのように過ごしているのか想像して、オンとオフの切替がしっかりできるのか、心身ともに元気に自院で働いてもらえそうかを判断します。
友人関係の質問では、友人の人数やグループ内でのあなたの立ち位置を聞いて、自院に採用した場合の人間関係を想像します。
もし友人が少なくて回答に悩んでいる人でも、
など、その友人との付き合い方も併せて素直に伝えれば、面接官は友人を大切にするあなたの人柄を感じ取ってくれるはずです。
質問例❻:入職時期
面接も終盤を迎えると入職希望時期の確認の質問があると思います。
看護師不足を抱える医療機関は、現実的なマッチングを重視しますので、希望時期が早いとその分ポイントが上がる場合もあるとは思います。
しかし、現職の退職時期にも大きく影響する回答になりますので、退職確定前なら、現時点の希望である旨を面接官にしっかり伝えるか、退職の確約を得てから正確な入職日を伝えることが重要です。
質問例❼:逆質問(最後に一言)
恐らく、面接の最後に逆質問の機会が与えられると思います。これはあくまでも、お互いに疑問点を後に残さないための最終確認の時間になります。
しかし、
「特にありません」
では物足りなさを感じます。
逆質問の機会が来ることを事前に想定し、しっかりと質問の準備をして、ここでも入職の熱意をアピールしておきたいところです。
筆者の経験上、受験者から実際によく聞かれた質問の代表例を2つ挙げておきます。無難な質問ですので、「何も浮かんでこない!」と思ったらこの質問を投げておくのもいいと思います。
- 「入職までに勉強しておいた方がいいことはありますか?」
- 「貴院の教育体制を具体的に教えていただけますか?」
逆質問は、面接官によって自院への入職意欲と捉え、プラス評価につなげる場合もあるかも知れません。志望先に合わせた質問を前もって準備しておくことが賢明です。
面接官に好印象を与える3つのコミュニケーション術

面接の場はただでも緊張してしまいますよね。緊張した中、どのように振る舞えば面接官に好印象を持ってもらえるのでしょうか。
ここでは、いかに面接官に好印象を持ってもらえるのか、面接時の言葉遣いやコミュニケーションの取り方に関する3つのコツを伝授します。
参考:森本千賀子著『本気の転職パーフェクトガイド』・新星出版社
コツ➊:面接官の心証を悪くしない話し方
1.面接官の目を見て回答
面接は面接官とのコミュニケーションの場です。面接官が複数いるときは、質問された相手の目を見て回答するのが基本となります。
下を向いて回答したり、違う方向を見ながら話していると、自信がないのか?何か隠しているのでは?と面接官にネガティブな印象を与えてしまいます。
2.和やかな面接でも最低限のマナーはわきまえる
面接も時間が経ってくると話が弾んで和やかなムードになることがあります。このような時に、いつの間にか馴れ馴れしい口調で応対する受験者も出てくるものです。
しかし、度を越した言動は必ずマイナス評価につながります。あえて砕けた質問をして受験者のリアクションを評価している可能性もあります。
和やかな雰囲気の中でも、受験者として節度を保った応対することが大切です。
3.面接官の話をしっかり聞いてから回答
中には面接官の質問をし終わる前に話し始める人もいます。緊張しているせいなのか、それとも本人は打ち解けていると思っているせいなのか…。
面接官の質問にかぶせ気味に話し始めてしまうと、相手に不快感を与えることになりますので注意が必要です。
4.簡潔な回答を心掛ける
受験者の中には質問に対して長々と話し続ける人もいます。面接官は内心うんざりしながらも、表情には出さずに頷きながら話を聞いていることが大半です。
受験者本人は面接後に「うまく説明できた!」と感じるかも知れませんが、残念ながら高評価は期待できません。緊張した中でも、相手の返事や表情、その場の雰囲気からどのように振る舞うべきか察することが大事です。
コツ➋:PREP法を使ったわかりやすい伝え方
面接官の質問に長々と話し続けてしまうパターンを紹介しました。もしかすると皆さんの中でも自覚している人もいるかも知れませんね。
このような人には「PREP法」で話してみることをお勧めします。
PREP法とは、「結論→理由→エピソード」の順で話すこと。
質問に対してまず結論を話します。そのうえで理由を話し、最後に具体的なエピソードを話します。
この順番で話せば、相手に話の内容が伝わりやすく、より説得力のある話ができるのです。
コツ➌:素直で誠実な印象の与え方
面接官が好む人物とは、決して面接での対応に慣れた話し上手というわけではありません。自分の想いを素直に自分の言葉で話せて、誠実な対応ができる人に好印象を受けるのです。
1.表現にメリハリをつける
仕事や生活上のエピソードを話す質問では、メリハリをつけて話すと素直な印象を持たれます。
例えば、
- 充実感のあった仕事のことを話すときは活き活きとした表情で話す
- 楽しかった仕事に対しては笑顔で話す
- 精神的に辛かった仕事に対してはしんみり話す
このように感情にメリハリをつけて話せば、面接官に素直な性格を印象づけることができるでしょう。
さらに、あなたのことをもっと知りたい、一緒に働きたいと思わせるきっかけにもなります。
2.面接官の話にも関心を示す姿勢
面接はコミュニケーション能力が問われる試験です。
コミュニケーション能力には、大きく分けて
- 「伝える力」
- 「受け取る力」
の2つがあります。上手に「伝える」ことばかりに気を取られていると、もう一つの大事な要素である「受け取る」ことを疎かにしていまいます。
自分が話すばかりではなく、面接官の話にも関心を持ち、適切なあいづちを打ちながら「あなたの話を受け取めていますよ」とアピールできれば、面接官に誠実な印象を与えることができます。
重要なのは、「この人と一緒に働きたい」と思われること。
無理して優秀さや快活さをアピールする必要はありません。素直で誠実な気持ちを持って面接官とコミュニケーションを図って、あなたのことをよく知ってもらえばいいのです。
面接前日にチェックしておくべき準備リスト
明日は面接本番です。前日のうちに面接当日の持ち物などを確認しておきたいところです。
ここでは、面接の前日に必ず確認しておくべき項目をランキング形式で紹介します。以下の項目を確認し、面接の不安を少しでも取り除いて当日を迎えましょう。
- 1位:履歴書・職務経歴書の確認
- 2位:志望動機・逆質問など回答の準備
- 3位:服装・身だしなみの確認
- 4位:面接先の下調べ
- 5位:持ち物の確認
1位:履歴書・職務経歴書の確認
真っ先に確認するべき項目は、応募書類が揃っているかどうかです。
これがないと始まりません。事前に送付や持参している場合は、提出した履歴書等のコピーが手元に残っているか確認しましょう。
最低限必要なチェック項目は以下のとおりです。確実にチェックしましょう。
- 応募書類が全て揃っているか(履歴書・職務経歴書・看護師免許コピー等)
- 応募書類の記載に漏れや不備がないか
- 履歴書・職務経歴書のコピーは取ったか(面接会場での復習用・面接後確認用)
- 応募書類を入れる封筒の準備はできたか(A4サイズが無難)
2位:志望動機・逆質問など回答の準備
次に大事なのが、面接で回答する内容の確認です。
「まだ練習ができてない…」という人でも、まだ間に合います。前日に集中して最低限チェックリストの確認を行えば、当日は安心して面接会場に向かうことができます。
逆質問の内容も、必ず準備しておきましょう。
- 志望先に関する調査・研究を十分に行ったか
- 志望先調査をふまえ、自分のアピールポイントを整理したか
- 1分程度で自己紹介ができるか
- 「転職理由」「志望動機」その他回答内容を整理したか
- 志望先への質問(逆質問)は準備できたか
- 勤務条件に関する希望を整理したか
3位:服装・身だしなみの確認
当日の服装のチェックも欠かさず行いましょう。
面接試験では、スーツの着用が基本となります。面接の2週間前くらいには、一度スーツのチェックをした方が無難です。汚れやシミなどがある場合、クリーニングの関係上、前日では間に合わない可能性があります。
その他、髪型についても相手に与える印象に差が出るところです。身だしなみのチェックは早いに越したことはありません。
- スーツにしわが寄ってないか
- スラックスの折り目はきっちりしているか
- シャツにアイロンがかかっているか
- 靴が磨いてあるか
- 髪が伸びすぎていないか
4位:面接先の下調べ
4位に挙げましたが、面接先の下調べも重要な項目のひとつです。とにかく決められた時間前に面接先に到着しなければ、今までの準備が水の泡です。
事前に見学していれば安心ですが、一度も訪問せずに面接当日を迎える場合は、スマホの地図アプリで事前に調べて登録しておくことをおすすめします。
公共交通機関の時間も必ず調べておくこと。考え出したらきりがないですが、電車等の遅延も想定して、余裕を持ったスケジュールで面接先に向かうようにしましょう。
- 面接先の所在地を確認
- ホームページ等でアクセスマップを確認
- 公共交通機関の時刻表を確認
- 最寄り駅からの交通手段、所要時間を確認
5位:持ち物の確認
最後に、持ち物の確認をします。最低限必要になりそうなものをリストに挙げました。
応募書類のコピーは、最後の復習用として使います。スマホに撮影しておいてもいいかも知れません。
手帳やノートは忘れがちですが、メモを取るシチュエーションも想定して持参するようにしましょう。
- 応募書類(履歴書・職務経歴書)、そのコピー
- 筆記用具(メモを取る手帳やノート)
- 面接場所の地図・交通案内
- 面接担当者の氏名・連絡先
- ハンカチ、ティッシュ、リップクリーム等
なお、転職活動全体の流れについては、以下の記事で解説してます。一度全体をとおして転職活動の流れを確認しておきたい場合は、是非ご参考ください。

面接直前に使える!試験当日のメンタル管理術

いよいよ面接当日を迎えました。
安心して面接本番に臨むには、どのように緊張をコントロールすればいいのでしょうか。最後に、面接直前に使えるメンタルケアやリラックス法を紹介します。
なぜ緊張してしまうのか
人はなぜ緊張してしまうのでしょうか。原因として考えられるのは、
- 真面目な性格である
- 失敗するのが怖いと思っている
- 人前で話すのが苦手だと思い込んでいる
- 緊張するのは印象が悪いと決めつけている
真面目な性格の人は、失敗してしまうのを極度に恐れる傾向があります。
そのため、「失敗」イコール「即不合格」と決めつけてしまいます。そして、「不合格」イコール「自己否定」、「自己否定」イコール「もっと失敗」という負のループに陥ります。
真面目でネガティブ思考のあまり、人前で緊張感をさらすのはきっと印象が悪いことだと決めつけているのです。
しかし、前にも言ったとおり、面接をする側(面接官)から見ると、面接は落とすための試験ではなく、迎え入れるための機会として考えています。
だから、緊張してしまっても大丈夫なのです。緊張した中でも、素直で自然体な回答を心掛けて面接を受けてもらう方が、お互いにとってメリットがあります。
もし、面接開始後に緊張を感じてしまったら、
「緊張しててすみません」
とその場で素直に打ち明けてしまうのもひとつの手です。その一言で、逆に場の空気が和んで、穏やかに面接が進んでいったのを筆者は何度も経験しています。
とはいえ、面接の場は誰もが緊張するもの。このあと、面接を乗り切るためのリラックス法を紹介します。
面接を乗り切るための6つのリラックス法
リラックス法➊:深呼吸
緊張していると呼吸が浅くなりやすく、脳に回る血流が弱くなってしまいます。
意識的に深く呼吸をすると脳に十分な酸素が回り、冷静な思考力を取り戻せます。
深呼吸は簡単にできるうえ、呼吸に集中することで緊張も感じづらくなるため、面接前におすすめのリラックス法です。
リラックス法➋:ストレッチ
緊張すると身体が固くなります。身体が固くなると呼吸も浅くなり、思考や視野の範囲が狭くなってしまいます。
面接前には、軽くストレッチを行い、硬くなった身体をほぐしてみることをおすすめします。
腕や脚、背中の筋を伸ばしたり、首を回したり、体をねじったりと簡単な方法でもリラックス効果が得られます。
リラックス法➌:掌のツボを押す
緊張したとき簡単にできるリラックス法として、ツボ押しもおすすめです。
掌に「人」という文字を書いて飲み込むと緊張が和らぐ、というおまじないを聞いたことはありませんか。この「人」という漢字の交わる部分(掌の真ん中あたり)が自律神経を整える「労宮」と呼ばれるツボです。
この「労宮」というツボを親指でやや強めに5秒ほど押す、これを繰り返して行うと、気持ちを落ち着かせる効果があると言われています。
リラックス法❹:目を閉じる
目を閉じることも簡単なリラックス法のひとつです。
リラックスするためには、交感神経を刺激せず、副交感神経を刺激することが基本になります。交感神経は五感を刺激することで活性化されますので、あえて目を閉じることで、五感のひとつである「視覚」を遮断して交感神経の刺激の度合いを弱めます。
視覚を遮断することで別の感覚に集中しやすくなるため、リラックス効果が得られやすくなります。
さらに深呼吸を繰り返し、呼吸のリズムに集中すると、より高いリラックス効果が得られるでしょう。
リラックス法❺:笑顔をつくる
緊張しているときこそ「笑顔」が大事です。
緊張して暗い顔をしていると、気持ちまで暗くなります。気持ちが暗くなると失敗ばかり考えてしまい、ネガティブ思考の負のループが始まります。
面接前には、意識的に笑顔をつくることをおすすめします。スマホを鏡代わりにして自分の表情をチェックしてみましょう。
意識的でも笑顔ができれば自然と気持ちも前向きになります。
リラックス法❻:できるだけ話しておく
いきなり人前で話すとき声が出づらくなった経験はありませんか。
面接の本番を迎える前に、とにかく声を出しておくことも大事なリラックス方法のひとつです。
面接当日、家族や友達など身近な人に電話をして話したり、志望先へのタクシーやバスでの移動中に運転手の方にあいさつしたり…
面接が始まるまでに誰かとコミュニケーションを取っておくと、心が落ち着き、安心して面接に臨むことができます。
まとめ
この記事では、転職活動に励む看護師さんに向けて、面接で成功するための具体的なアドバイスと、自信を持って面接に臨むためのポイントを紹介してきました。
面接官に好印象を与えるコミュニケーション術として、
- 面接官の心証を悪くしない話し方
- PREP法を使ったわかりやすい伝え方
- 素直で誠実な印象の与え方
の3つのコツを挙げました。上記のコツは、面接に受かるために意識しておくべき技法として間違いはありません。
しかし、ここで改めて強調しておきたいのは、面接はあくまでもお互いのマッチングをするための機会であるということ。
つまり、縁や相性といった要素がより重要になるということです。背伸びせずに素直な回答をすることが良縁を引き寄せ、あなたのキャリアを有意義なものにする理由となるのです。
この記事を参考に、転職を考えている看護師さんの有意義なキャリア形成に役立てていただけると幸いです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。