看護師が「辞めたい」と感じたときに、最初に整理すべき3つの視点【元病院人事が解説】

屋上で泣いている女性看護師の画像

「もう、今の職場を辞めたい……」

看護師として働くなかで、一度もそう思ったことがない人はいないのではないでしょうか。

しかし、元病院人事として数百人の採用と退職に関わり、そして現役キャリアコンサルタントの立場からお伝えしたいことがあります。それは、

「辞めたい理由を言語化・整理しないまま動いてしまい、転職先でも同じ悩みを繰り返して後悔するケースが非常に多い」

ということです。

焦って転職サイトに登録する前に、まずは立ち止まって「自分の不安の正体」を見極める時間を持ってみませんか?

本記事では、転職活動を始める前に看護師が整理しておきたい3つの視点を、元病院人事の視点で解説します。

迷える今のあなたがどのフェーズにいるのか、現状を整理するための「思考の地図」として役立てていただけると幸いです。

目次

視点①:働き方そのものを変えたいのか?(職種・環境の問題)

小さな黒板に白のチョークで「CHANGE」と書かれたイラスト

「看護師という仕事は好きだけれど、夜勤や責任の重さがもう限界…」

「そもそも、自分は看護師に向いていないのでは?」

そう感じたとき、まず整理すべきことは

「つらさの原因は『今の職場』にあるのか、それとも『看護師という仕事そのもの』にあるのか」

という点です。

もし「デスクワークなら落ち着いて働けるかも」と事務職への転職を考えているなら、少し注意が必要です。

病院人事の視点から見ると、看護師から事務職への転職は「ただ楽になるための逃げ道」ではなく、全く異なるスキルが求められる「新しい挑戦」だからです。

一方で、看護師の経験を活かせる事務職の形もあります。

自分が本当に環境を変えたいだけなのか、それとも、職種を変えたいのか?

これを冷静に分析しましょう。

看護師から事務職への転職を検討している方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

視点②:将来像が描けず、不安になっているのか?(キャリアの問題)

5人の模型から「キャリア形成」と吹き出しが出ているイラスト

「今の職場で数年後の自分が想像できない」

「このまま流されるように働いていていいのだろうか?」

このように、今すぐ辞めたい決定的な理由はないけれど、何となく「このままでいいのか不安」というような漠然とした不安を抱えているパターンです。

これは、あなたのキャリアが次のステージへ進もうとしているサインでもあります。

キャリアプランとは、必ずしも

  • 「認定看護師になる」
  • 「師長を目指す」

といったキラキラした目標を決めることではありません。

大切なのは、自分の価値観を「整理」することです。

早くから自分のキャリアについて考える習慣を持つことは、将来のあなたを守るための最強の武器になります。

キャリアプランをどう考えればいいか迷っている方は、こちらの記事も参考にしてください。

視点③:辞めたいが、制度・契約に縛られているのか?(お礼奉公など)

吹き出しに「ルール」と書かれたイラスト

「辞めたいけれど、奨学金の返還やお礼奉公の期間が残っている」

「今辞めたら、多額の返済を迫られるのではないか?」

こうした制度的な縛りがある場合、一人で悩みを抱え込み「今は動けない」とあきらめてしまう方がいます。

しかし、元病院人事の立場から言えば、

「辞められない」と「辞めてはいけない」は別問題

ということです。

法的なルールや病院との契約内容を正しく理解すれば、

  • 返還をどう進めるか
  • 今の時期に動くのが得策か

これらを冷静に判断することが可能になります。

「今はあえて動かない(期間満了を待つ)」

という選択も、あなたが納得して決めたことなら、それは立派なキャリア戦略の一つです。

お礼奉公期間中に転職を考えることに躊躇している方は、こちらの記事も参考にしてください。

まとめ:いきなり転職活動を始めない、という選択

ブロックで「まとめ」と書かれたイラスト

筆者がこれまで多くの看護師の方をサポートしてきて思うのは、

転職はあくまで「手段」であり、目的ではない

ということです。

転職を目的化させないためにも、以下のステップを踏んで考えることが重要です。

  1. 整理: 自分の不安や現状を書き出す
  2. 判断: 辞めるべきか、今の環境で解決できるか決める
  3. 行動: その結果として、初めて転職活動やスキルアップを行う

この順番を間違えなければ、大きく後悔することはないでしょう。

もし今、あなたが焦りや不安を感じているなら、「今は動かない」という選択肢も含めて、まずは自分の心を「整理」することから始めてみてください。

転職する・しないにかかわらず、自分の状況を客観的に整理できることが、あなたの看護師人生をより豊かで後悔のないものにする第一歩です。

「辞めたい」と感じる気持ちを整理したあとで、実際に転職すべきかどうか迷う方は、
▶︎ 看護師が「転職していいのか迷ったとき」に考えるべき3つの視点
で、判断の考え方を整理してみてください。

※この記事は、人事・労務を含む医療機関の運営に25年以上携わってきた社会保険労務士が、現場経験をもとに執筆しています。
▶︎ 吉澤社労士事務所(医療機関専門)

よくある質問(FAQ)

ボードに「Q&A」と書かれたイラスト

看護師が「辞めたい」と感じたとき、すぐ転職活動を始めるべき?

いきなり転職活動を始める必要はありません。まずは「何がつらいのか」「働き方・キャリア・制度のどこに問題があるのか」を整理することが重要です。

看護師が事務職への転職を考えるのは現実的?

事務職への転職は現実的な選択肢ではありますが、向き・不向きがあります。業務内容や評価の仕組みが大きく異なるため、事前に十分な理解と整理が必要です。

お礼奉公があっても転職はできる?

必ずしも転職できないわけではありません。ただし、制度や契約内容を正しく把握したうえで、「今すぐ動くべきか」「待つという選択をするか」を冷静に判断することが大切です。

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この記事を書いた人

吉澤 宏行のアバター 吉澤 宏行 社会保険労務士・医療機関専門コンサルタント

吉澤社労士事務所代表。社会保険労務士・国家資格キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)として、医療機関の労務と人材課題に専門的に携わっています。
医療機関で25年間事務職に従事。総務、経理、医事、健診部門など幅広く経験を積み、2024年4月に独立。地元・東京都日野市にて医療機関専門社労士として活動中。

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