看護師が「すぐ転職しない」と決めたときに、準備しておきたい3つのこと

メモ帳に書かれたチェックリストのイラスト

Q. 転職するか迷っている看護師は、今すぐ何から準備すればいいのでしょうか?

A.いきなり求人を探したり、退職時期を決めたりする必要はありません。

まずは「転職する・しない」を判断するための材料をそろえる準備から始めることが大切です。

「辞めたい気持ちはあるけれど、今すぐ決断できない」

そのような状態で情報だけを集め続けると、かえって迷いが強くなることがあります。

この記事は、すぐに転職しないと決めた看護師が、落ち着いて判断するために整えておきたい準備を3つの視点で整理します。

目次

「準備する」は、結論を急がないための行動です

スマートフォンを持って笑顔で人差し指を立てるポーズの女性看護師

「準備を始めたら、もう転職しなきゃいけない気がする」

そう感じる方も少なくありません。

でも、まず知っておいてほしいのは、

「準備を始めること」は「転職を決めること」ではない

ということです。

元病院人事の視点から見ると、転職で後悔する人の多くは「準備不足のまま衝動的に動いた人」です。

ここで言う準備とは、転職を前提に動き出すことではありません。

  • 判断を先延ばしにしないため
  • 感情に流されないため
  • 自分で選べる状態をつくるため

に必要な言わば「下ごしらえ」です。

このように「下ごしらえ」をしておくことで、「辞める」「辞めない」どちらを選んでも、後悔しにくい判断ができるようになります。

  • 辞める覚悟を持つのではなく、「選択肢」を持つ。
  • 感情で動くのではなく、「材料」を揃える。

このスタンスでいることが、今の仕事に対する心の余裕にもつながります。

【転職を急がずに判断するための準備フロー】

看護師 転職 急がず判断 準備 フロー 図

この準備ができていれば、「転職する・しない」の判断を、落ち着いて選ぶことができます。

準備① 自分の希望条件を言語化する

デスクの上の付箋に「条件」と書かれたイラスト

条件が曖昧なまま求人情報を見始めてしまい、隣の芝生が青く見えすぎて振り回される方がよくいます。

そうならないためにまず取り組みたいのは、

自分が働くうえで何を大切にしたいのか

を整理することです。

ポイントは、理想論ではなく「現実基準」で考えること。

キラキラした理想ではなく、今の不満や悩みに基づいた現実的なラインを引くことが重要です。

  • 絶対に譲れない条件:
    例)残業月5時間以内、3人夜勤、通勤時間は片道30分までなど。
  • できれば叶えたい条件:
    例)職場の雰囲気がいい、教育体制が整っている、有給が取りやすいなど。
  • 今は我慢できる条件:
    例)給与や夜勤回数、役割は現状維持でいいなど。

このように条件を分けて整理しておくと、「本当は何がつらいのか」が見えてきて、現実的な判断がしやすくなります。

準備② 今の職場で得てきた経験を棚卸しする

デスク上にある「棚卸し」の文字とノートとペンの画像

「自分には特別なスキルなんてない」と思い込んでいる人はとても多いです。

そこで次に行いたいのが、これまでの経験を振り返ること。

ここでのポイントは、「転職に使えるスキル」を探すことではないということです。

転職を前提とせず、今の環境で何を得ているかを一度書き出してみましょう。

  • 他職種との調整・連携
  • 委員会の運営
  • 後輩への指導
  • 業務改善・ルールづくりへの関与
  • 忙しい現場での優先順位の付け方など

こうした経験は、日常業務の中では「当たり前」になりがちです。

でも、実は他の病院から見ると、あなたが日常的にこなしている業務が貴重なスキルであることも多いのです。

あなたの中で「当たり前」になっている強みにも改めて目を向けることができれば、今の仕事へのモチベーションが再定義されることもあるでしょう。

このように一度言語化しておくことで、「転職する・しない」に関わらず、自分の働き方を客観的に見る材料になります。

準備③ 情報を「集めすぎない」

スマートフォンを操作する女性の手の画像

迷っているときほど、転職サイトやSNS、口コミを見続けてしまいがちです。

今の時代、情報は溢れていますが、集めすぎるとかえって

比較ばかりしてしまう → 不安が増える → 決められなくなる

という状態に陥りやすくなります。

次のことを意識して、転職サイトやSNSとの付き合い方を見直しましょう。

  • 求人検索の落とし穴:
    良い条件ばかりが目に付くと、今の職場の欠点だけが強調されてしまいます。
  • SNSや口コミの扱い方:
    ネット上の声は極端な意見が多いもの。「そういう事例もある」程度に留めておきましょう。

「すぐ転職しない」と決めたあなたにとって準備段階で大事になるのは、以下の項目をあらかじめ決めておくことです。

  • 見る情報の量
  • 見るタイミング

例えば、

「今は情報収集は週に1回まで」

といったルールを自分の中で決めるだけでも、気持ちは安定します。

情報収集の「量」と「タイミング」を自分でコントロールすることが、情報疲れを防ぎつつ、冷静な判断を保つコツです。

よくある不安(FAQ)

ブロックで「FAQ」と書かれたイラスト

準備を始めると、転職しなければいけなくなりませんか?

準備は判断材料を増やすための行動であり、転職を前提としたものではありません。準備した結果、今は転職しないと決めることも、十分に納得のいく判断です。

求人を見ると、今の職場が余計につらくなります

情報に触れる量やタイミングを決めることで、気持ちの揺れを抑えやすくなります。準備段階では、知ることと比較することを切り分ける意識が大切です。

「転職していいのか迷ったとき」の全体像も確認してみてください

ノートPCを前に頬杖をついて悩んでいる女性の画像

この記事は、「転職していいのか迷ったとき」に考える判断整理の中で、「今は整える時期」(準備)という選択肢を深掘りしたものです。

「転職すべきかどうか、まだ迷いが残っている…」など、そもそもの迷い、悩みを抱えている場合は、改めて「判断の軸」に立ち返ってみることをお勧めします。

感情整理から判断までを一度整理したい方は、以下のページも参考にしてみてください。

▶︎ 看護師が「転職していいのか迷ったとき」に考えるべき3つの視点

まとめ:準備は「自分で選べる状態」をつくること

ブロックで「まとめ」と書かれたイラスト

準備することは、転職を決めることではありません。

自分で選べる状態を整えておくこと、自分の人生の手綱を自分で握るということです。

迷いの中でも「いざとなったらこう動ける」という準備が整っていれば、今の仕事に対しても、よりフラットな視点で向き合えるようになります。

焦って結論を出す必要はありません。

少しずつ「判断の材料」を揃えていくことが、結果的に後悔しない未来に繋がります。

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この記事を書いた人

吉澤 宏行のアバター 吉澤 宏行 社会保険労務士・医療機関専門コンサルタント

吉澤社労士事務所代表。社会保険労務士・国家資格キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)として、医療機関の労務と人材課題に専門的に携わっています。
医療機関で25年間事務職に従事。総務、経理、医事、健診部門など幅広く経験を積み、2024年4月に独立。地元・東京都日野市にて医療機関専門社労士として活動中。

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